墨子 / 號令
諸卒民居城上者,各葆其左右,左右有罪而不知也,其次伍有罪。若能身捕罪人若告之吏,皆購之。若非伍而先知他伍之罪,皆倍其購賞。
書き下し
諸そ卒民の城上に居る者は、各おの其の左右を葆す。左右に罪有りて知らざれば、其の次の伍、罪有り。若し能く身ら罪人を捕らえ、若しくは之を吏に告ぐれば、皆な之を購う。若し伍に非ずして先ず他伍の罪を知らば、皆な其の購賞を倍にす。
現代語訳
城壁の上にいる兵と民は、それぞれ左右の者について責任を持つ。左右の者に罪があってそれを知らなければ、次の組にも罪がある。もし自分で罪人を捕らえるか、役人に告げれば、みな賞を与える。もし自分の組ではなく他の組の罪を先に知って告げれば、その賞を倍にする。
解説
連帯責任と告発の賞を組み合わせた規定です。自分の組の罪を告げれば賞、他の組の罪を先に見つければ賞は倍。組の内側だけでなく外側にも目を向けさせる設計で、相互の監視が閉じないようにしています。厳しい仕組みですが、籠城という極限の状況を前提にした制度です。身内でかばい合う力を、賞の設計で外に開いているのが工夫のあるところです。
この章句が説くこと
連帯監視賞内輪告発
関連する章句
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『墨子』號令城上の卒若しくは吏は、各おの其の左右を保す。若し城を以て外謀を為さんと欲する者あらば、父母・妻子・同産、皆な斷ず。左右、知りて捕らえ告げざれば、皆な與に罪を同じくす。城下の里中の家人も皆な相い葆すること、城上の數の若し。能く之を捕らえ告ぐる者有らば、之を封ずるに千家の邑を以てす。若し其の左右に非ずして乃ち他伍の捕らえ告ぐる者は、之を封ずるに二千家の邑を以てす。
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『墨子』號令命は必ず畏るるに足り、賞は必ず利するに足り、令は必ず行わる。令、出づれば輒ち人、隨い、其の行う可きと行わざるとを省る。號あり、夕に號有り、號を失えば斷ず。守備の程を為して之を署して某の程と曰い、署を街衢の階若しくは門に置き、往來する者をして皆な視て放わしむ。諸そ吏卒民に其の将長を謀殺傷する者有らば、謀反と罪を同じくす。能く捕らえ告ぐる有らば、黄金二十斤を賜い、罪を謹む。其の分職に非ずして擅に之を取り、若しくは其の當に治むべき所に非ずして擅に治めて之を為さば、斷ず。諸そ吏卒民、其の部界に非ずして擅に他部の界に入らば、輒ち牧えて以て都司空に屬し、若しくは以て守に聞す。牧えずして擅に之を縱せば、斷ず。能く謀反・賣城・踰城・敵する者一人を捕え得れば、令を以て死罪二人、城旦四人を除くと為す。城に反きて事あり父母を去る者は、去る者の父母妻子。悉く民室の材木、凡そ藺石の數を舉げ、長短小大を署す。舉ぐるに當たりて舉げざれば、吏、罪有り。
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『墨子』號令城外は令、任じ、城内は守、任ず。令・丞・尉、亡いて入るを得て當たること、十人以上に滿つれば、令・丞・尉、爵を奪うこと各おの二級。百人以上ならば、令・丞・尉を免じ、卒を以て戍らしむ。諸そ當を取る者は、必ず寇虜を取りて乃ち之を聴す。民を募りて財物粟米を以て凡そ器を貿易せんと欲する者は、卒に賈を以て予う。邑人の知識・昆弟に罪有らば、縣中に在らずと雖も贖を為さんと欲し、若しくは粟米・錢金・布帛・他の財物を以て免れ出でんとする者は、之を許すを令す。言を傳うる者は十步に一人。言を稽留し及び傳うるに乏しき者は、斷ず。諸そ以て事を便にす可き者は、函ちに疏を以て言を守に傳う。吏卒民の事を言わんと欲する者は、函ちに傳言を為し、之を吏に請う。稽留して言わざる者は、斷ず。
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『墨子』號令敵に歸する者は、父母・妻子・同産、皆な車裂。先に之を覺れば除く。術に當たりて敵に需り、地を離るれば斬る。五人、得ざれば斬る。之を得れば除く。其の疾く鬬いて敵を術に却け、敵、下りて終に復た上る能わざれば、疾く鬬う者、隊に二人、上奉を賜う。而して圍に勝てば、城、周ること里以上なれば、城将を封ずるに三十里の地を以てして關内侯と為し、輔将は今の如く上卿を賜い、丞及び吏の丞に比する者は爵五大夫を賜い、官吏・豪傑と計を堅くする者、守十人及び城上の吏の五官に比する者は、皆な公乗を賜う。男子の守る有る者は爵、人ごとに二級、女子は錢伍千を賜う。男女老小の先に分かれて守る者は人ごとに錢千を賜い、之を三嵗復し、與る所有る無く、租税せず。此れ吏民を勸めて堅く守り圍に勝つ所以なり。
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『墨子』號令城中の里に因りて八部と為し、部に一吏、吏、各おの四人を從え、以て衝術及び里中を行く。里中の父老の小にして守の事及び㑹計を舉げざる者は、里を分かちて以て四部と為し、部に一長、以て往來の時を以て行かず、行きて他の異有る者を苛め、以て其の姦を得。吏の卒四人以上を從え分有る者は、大将、必ず與に信符を為す。大将、人をして守を行かしむるに、信符を操らしむ。信、合わず、及び號、相い應ぜざる者は、伯長以上、輒ち之を止め、以て大将に聞す。止むるに當たりて止めず、及び吏卒を從えて之を縱せば、皆な斬る。諸そ罪の自死罪より上有る者は、皆な父母・妻子・同産に還す。諸そ男女の城上に守る有る者は、什に六は弩、四は兵。丁女子・老少は、人ごとに一矛。卒に驚事有らば、中軍、疾く鼓を擊つこと三たび、城上の道路、里中の巷街、皆な行くを得る無し。行く者は斬る。女子、大軍に到らば、行く者をして男人は左を行き、女子は右を行き、並び行くこと無く、皆な其の守に就かしむ。令に従わざる者は斬る。
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『墨子』號令人、自ら大いに版に書し、之を其の署の隔に著く。守、必ず自ら其の先後を謀り、其の署に非ずして妄りに之に入る者は、斷ず。署を離れ左右し、共に他署に入り、左右、捕らえず、私書を挾み、行きて請謁し、及び行書を為し、守事を釋てて私家の事を治め、卒民、相い家室・嬰兒を盜む者は、皆な斷じて赦す無し。人、舉げて之を藉す。符節無くして軍中を横行する者は、斷ず。客、城下に在らば、數しば其の署を易えて其の養を易うる無し。敵を譽めて少なきを以て衆しと為し、亂を以て治と為し、敵の攻の拙きを以て巧と為す者は、斷ず。客と主人と、相い與に言い及び相い藉するを得る無し。客、射るに書を以てするも、譽むるを得る無し。外、内に示すに善を以てするも、應ずるを得る無し。令に従わざる者は皆な斷ず。禁じて矢書を舉げ若しくは書を以て寇に射るを得る無し。令を犯す者は、父母・妻子、皆な斷じ、身は城上に梟す。能く之を捕らえ告ぐる者有らば、之に賞するに黄金二十斤。時に非ずして行く者は、唯だ守及び太守の節を摻りて使いする者のみ。