墨子 / 迎敵祠
其出入為流言,驚駭恐吏民,謹微察之,斷,罪不赦。望氣舍近守官。牧賢大夫及有方技者若工,弟之。舉屠、酤者置厨給事,弟之。
新字:其出入為流言,驚駭恐吏民,謹微察之,断,罪不赦。望気舎近守官。牧賢大夫及有方技者若工,弟之。舉屠、酤者置厨給事,弟之。
書き下し
其の出入して流言を為し、吏民を驚駭し恐れしむれば、謹んで微かに之を察し、斷じて、罪、赦さず。氣を望む舍は守官に近くす。賢大夫及び方技有る者若しくは工を牧め、之を弟す。屠・酤する者を舉げて厨に置きて事を給せしめ、之を弟す。
現代語訳
出入りして流言を広め、役人や民を驚かせ怯えさせる者は、慎んで密かに調べ、裁いて罪を赦さない。気を望み見る者の住まいは守将の役所の近くに置く。賢い大夫や技術を持つ者、職人を集めて、序列を定める。屠殺や酒造りをする者を取り立てて厨房に置いて務めさせ、序列を定める。
解説
流言への厳罰と、専門技能者の登用が並んでいます。籠城では情報が武器にも毒にもなる。だから流言は許さず、占い師は守将の近くに置き、職人や料理人まで序列を定めて組織に組み込む。誰が何を担当するかを全員分決めておく、という徹底ぶりです。
この章句が説くこと
流言統制登用序列情報
関連する章句
-
孫子・九地篇能く士卒の耳目を愚にして、之をして知ること無からしむ。其の事を易え、其の謀を革めて、人をして識ること無からしむ。其の居を易え、其の途を迂にして、人をして慮ることを得ざらしむ。
-
『墨子』號令守樓は質宫に臨みて善く周し、必ず宻に樓を塗り、下をして上を見る無く、上は下を見、下は上に人有ると人無きとを知る無からしむ。守の親しく舉ぐる所の吏の貞亷忠信にして害無く事に任ず可き者は、其の飲食酒肉、禁ずる勿かれ。錢金・布帛・財物は各おの自ら之を守り、慎んで相い盜む勿かれ。葆宫の牆は必ず三重、牆の垣、守る者、皆な瓦釜を牆上に累ぬ。門に吏有り、門里を主る者、筦閉には必ず太守の節を須つ。葆衛には必ず戍卒の重厚なる者を取り、吏の忠信なる者、害無く事に任ず可き者を擇ぶを請う。将衛をして自ら十尺の垣を築き、周く牆を還らしむ。門・閨なる者は、令衛の司馬門に非ず。氣を望む者の舍は必ず太守に近くし、巫の舍は必ず公社に近くし、必ず之を敬神す。巫・祝・史と氣を望む者とは、必ず善言を以て民に告げ、請を以て守上に報じ、守、獨り其の請を知るのみ。氣を望むに與らずして妄りに不善の言を為して民を驚恐せしむれば、斷じて赦す勿かれ。
-
『墨子』備城門老小の事とせざる者をして城上に守らしむ。術に當たらざる者なり。城、持ちて出づるには必ず眀填を為り、吏民をして皆な之を智知せしむ。一人より百人以上に従うも、持ちて出でて填章を操らざれば、人に従うも亦た故人に非ざれば、乃ち亦た稹章あるなり。千人の将以上、之を止め、行くを得しむる勿かれ。行きて吏卒、之に従わば、皆な斬り、具に以て上に聞す。此れ守城の重禁なり。夫れ姦の生ずる所、審らかにせざる可からざるなり。
-
説苑・雜言孔子曰く、「船は水に非ざれば行く可からず、水船中に入れば、則ち其れ没す。故に曰く、君子は厳ならざる可からざるなり、小人は閉ざさざる可からざるなり」と。
-
孫子・軍争篇軍政に曰く、言うも相聞こえず、故に金鼓を為る。視るも相見えず、故に旌旗を為る、と。夫れ金鼓旌旗は、民の耳目を一にする所以なり。民既に専一なれば、則ち勇者も独り進むを得ず、怯者も独り退くを得ず。此れ衆を用うるの法なり。
-
孫子・九地篇是の故に其の兵は修めずして戒め、求めずして得、約せずして親しみ、令せずして信ず。祥を禁じ疑いを去れば、死に至るまで之く所無し。