墨子 / 備蛾傅
縣大四尺一椅,五步一竈,竈門有鑪炭。傳令敵人盡人火燒門,縣火次之,載而立,其廣終隊,兩載之間一火,皆立而待鼓音而燃即俱廢之。敵人辟火而復攻,縣火復下,敵人甚病。
新字:県大四尺一椅,五歩一竈,竈門有鑪炭。伝令敵人尽人火焼門,県火次之,載而立,其広終隊,両載之間一火,皆立而待鼓音而燃即倶廃之。敵人辟火而復攻,県火復下,敵人甚病。
書き下し
大いさ四尺に一椅を縣け、五步に一竈、竈門に鑪炭有り。令を傳え、敵人、盡く入らば火して門を燒き、縣火、之に次ぐ。載せて立ち、其の廣さは隊を終う。兩載の間に一火、皆な立ちて鼓音を待ちて燃やし、即ち俱に之を廢す。敵人、火を辟けて復た攻めば、縣火、復た下る。敵人、甚だ病む。
現代語訳
四尺ごとに一つの掛け具を吊り、五歩ごとに一つの竈、竈の口には炉と炭を置く。命令を伝え、敵がすっかり入ったら火をかけて門を焼き、次に吊り火を落とす。据えて立て、その幅は攻め口いっぱいとする。二つの据え置きの間に一つの火を置き、みな立って太鼓の音を待って火をつけ、合図とともに一斉に落とす。敵が火を避けてまた攻めてくれば、吊り火をまた落とす。敵はひどく苦しむ。
解説
備梯篇と同じ火攻めの手順が、蟻づけへの対策としても記されます。全部入ってから焼く、太鼓の合図で一斉に落とす、避けられたらもう一度落とす。二度目の用意まで手順に入っているのが目を引きます。一度で決まらなかったときの手が決まっているかどうかが、備えの厚みです。外したときの段取りこそ、事前に決めておくべきものです。
この章句が説くこと
火合図手順守城二の手
関連する章句
-
『墨子』備蛾傅禽子、再拜再拜して曰く、「敢えて問う、敵人、强弱あるも、遂に以て城に傳き、後に上る者は先に斷ち、以て程と為し、城を斬りて基と為し、下を掘りて室と為し、前、止まりて止まらず、後、射ること既に疾からば、之を為すこと奈何」と。子墨子曰く、「子は蛾傳の守を問うか。蛾傳なる者は、将の忽なる者なり。守りては行臨を為して之を射、校機、之を藉し、之を擢き、太汜、之に廹り、答を燒きて之を覆い、沙石、之に雨ふらす。然らば則ち蛾傳の攻め、敗るるなり。
-
『墨子』備蛾傅纍を為る。答の廣さ從さ、丈ごとに各おの二尺、木を以て上衡と為し、麻索を以て大いに之を徧くし、其の索を塗中に深くし、鐡鏁を為りて其の兩端の縣を鉤す。客、則ち城に蛾傳せば、答を燒きて以て之を覆い、連䈕・抄大、皆な之を救う。車兩走を以て、軸の間の廣大を以て圉ぎ、之を犯す。其の兩端。以て輪を束ね、徧く其の上を塗る。室中は榆若しくは蒸を以てし、棘を以て旁と為す。命じて火捽と曰い、一に傳湯と曰う。以て隊に當たる。客、則ち隊に乗らば、傳湯を燒き、維を斬りて之を下し、勇士をして隨いて之を擊たしめ、以て勇士の前行と為し、城上、輒ち壊城を塞ぐ。
-
『墨子』備蛾傅蛾傳に備うるには縣脾を為る。木板の厚さ二寸、前後三尺、旁の廣さ五尺、髙さ五尺を以てし、而して折りて下磨の車と為す。轉ずる徑は尺六寸。一人をして二丈四方を操らしめ、其の兩端を刃にし、縣脾の中に居らしむ。鐡鏁を以て二脾の上衡に縣け、之が機を為り、有力なる者四人をして之を下上せしむ。施すに難きこと勿かれ。縣脾は、大數は二十步に一つ、攻隊の在る所は六步に一つ。
-
『墨子』備蛾傅凡そ蛾傳を殺して攻むる者の法は、薄を城外に置き、城を去ること十尺、薄の厚さ十尺。操を伐るの法は、大小盡く木を之れ斷ち、十尺を以て斷と為し、離して深く貍め堅く之を築き、拔く可からしむる毋かれ。
-
『墨子』備梯城は裾門を希にして直に桀す。火を縣くるに、四尺に一鉤樴、五步に一竈、門に罏炭有り。適人をして盡く入らしめ、火を煇きて門を燒き、縣火、之に次ぐ。出でて載せて立つ。亦の廣さは隊を終う。兩載の間、之を載する門に一火、皆な立ちて鼓を持し、火を撚る。即ち具に之を發す。適人、火を除きて復た攻めば、縣火、復た下る。適人、甚だ病み、故に兵を引きて去る。則ち吾が死士をして左右より穴門を出でて遺師を擊たしめ、賁士・主将をして皆な城鼓の音を聴きて出で、又た城鼓の音を聴きて入らしむ。素より兵を出だし、施して休むに因り、夜半、城上、四面に鼓噪せば、適人、必ず或う。此れ有らば必ず軍を破り将を殺す。白衣を以て服と為し、號を以て相い得。此くの若くんば則ち雲梯の攻め、敗るるなり。
-
『墨子』備城門至れば、諸門户、皆な鑿ちて孔を慕いて之を孜せしむ。各おの二幕を為り、二つに一つ鑿ちて繩を繫ぐ。長さ四尺。車火を救うに烟矢を為す。火を城門の上に射れば、扇の上を鑿ちて棧と為し、之を塗る。水麻升草の盆を持して之を救う。門扇の薄植、皆な鑿つこと半尺、一寸に一湪の弋、弋の長さ二寸、見ゆること一寸、相い去ること七寸、厚く之を塗りて以て火に備う。城門の上、鑿ちて以て門火を救う所の者、各おの一垂水、火三石以上、大小相い雜う。