墨子 / 魯問
翟慮織而衣天下之人矣,盛,然後當一婦人之織,分諸天下,不能人得尺布。藉而為得尺布,其不能煖天下之寒者,既可睹矣。翟慮披堅執鋭救諸侯之患,盛,然後當一夫之戰。一夫之戰,其不御三軍,既可睹矣。翟以為不若誦先王之道而求其説,通聖人之言而察其辭,上説王公大人,次匹夫徒步之士。王公大人用吾言,國必治;匹夫徒步之士用吾言,行必脩。故翟以為雖不耕而食饑,不織而衣寒,功賢於耕而食之、織而衣之者也。故翟以為雖不耕織乎,而功賢於耕織也。」
新字:翟慮織而衣天下之人矣,盛,然後当一婦人之織,分諸天下,不能人得尺布。藉而為得尺布,其不能煖天下之寒者,既可睹矣。翟慮披堅執鋭救諸侯之患,盛,然後当一夫之戦。一夫之戦,其不御三軍,既可睹矣。翟以為不若誦先王之道而求其説,通聖人之言而察其辞,上説王公大人,次匹夫徒歩之士。王公大人用吾言,国必治;匹夫徒歩之士用吾言,行必脩。故翟以為雖不耕而食饑,不織而衣寒,功賢於耕而食之、織而衣之者也。故翟以為雖不耕織乎,而功賢於耕織也。」
書き下し
翟、織りて天下の人に衣せしめんことを慮る。盛んにして、然る後に一婦人の織に當たる。諸を天下に分かたば、人ごとに尺布をも得る能わず。藉りて尺布を得と為すも、其の天下の寒を煖むる能わざるは、既に睹る可し。翟、堅を披り鋭を執りて諸侯の患いを救わんことを慮る。盛んにして、然る後に一夫の戰に當たる。一夫の戰、其の三軍を御せざるは、既に睹る可し。翟、以為えらく、先王の道を誦して其の説を求め、聖人の言に通じて其の辭を察し、上は王公大人に説き、次は匹夫徒歩の士に説くに若かずと。王公大人、吾が言を用いば、國、必ず治まらん。匹夫徒歩の士、吾が言を用いば、行い、必ず脩まらん。故に翟以為えらく、耕さずして饑えたるに食わしめ、織らずして寒きに衣せしむと雖も、功は耕して之に食わしめ、織りて之に衣せしむる者より賢れりと。故に翟以為えらく、耕織せずと雖も、功は耕織より賢れりと。
現代語訳
私が織って天下の人に着せようと考えても、精一杯やって女一人分の機織りにしかならない。それを天下に分ければ、一人当たり一尺の布にもならない。仮に一尺の布が行き渡ったとしても、天下の寒さを暖められないことは明らかだ。私が鎧を着け武器を取って諸侯の危難を救おうと考えても、精一杯やって兵士一人分の働きにしかならない。兵士一人の働きが三軍を防げないことは明らかだ。だから私はこう考える。先王の道を誦してその説を求め、聖人の言葉に通じてその意味を調べ、上は王公大人に説き、次に庶民の士に説くほうがよい、と。王公大人が私の言葉を用いれば国は必ず治まる。庶民の士が私の言葉を用いれば行いは必ず修まる。だから私は、自分が耕さずに飢えた者を食べさせ、織らずに寒い者に着せることになると考える。その功は、自分で耕して食べさせ、織って着せるより大きい。だから耕さず織らずとも、その功は耕し織るより大きいと考えるのだ。
解説
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