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墨子 / 魯問

魯人有因子墨子而學其子者,其子戰而死,其父讓子墨子。子墨子曰:「子欲學子之子,今學成矣,戰而死,而子愠是猶欲糶糴,讐則愠也,豈不費哉!」

新字:魯人有因子墨子而学其子者,其子戦而死,其父譲子墨子。子墨子曰:「子欲学子之子,今学成矣,戦而死,而子愠是猶欲糶糴,讐則愠也,豈不費哉!」

書き下し

魯人に子墨子に因りて其の子を學ばしむる者有り。其の子、戰いて死す。其の父、子墨子を讓む。子墨子曰く、「子、子の子を學ばしめんと欲す。今、學、成れり。戰いて死せしに、子、愠る。是れ猶お糶らんと欲して、讐われば則ち愠るがごときなり。豈に費らざらんや」と。

現代語訳

魯の人で墨子に頼んで息子を学ばせた者がいた。その息子が戦って死んだ。父は墨子を責めた。墨子が言った。「あなたは自分の息子を学ばせようとした。いま学問は成った。戦って死んだのを、あなたは怒っている。それは米を売ろうとしておいて、買い手がついたら怒るようなものだ。筋が通らないではないか」。

解説

冷たく響く一段ですが、墨家という集団の性格を示しています。墨者の学びは、義のために命を懸けることを含む。父はそれを承知で送り出したはずだ、というのが墨子の言い分です。何を学ばせるかを選ぶことは、その先に何が起きうるかを選ぶこと。入り口で結末まで見えているか、という問いになります。学ばせる側の責任も、ここで問われています。

この章句が説くこと

覚悟学び結果承知墨者

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