墨子 / 公孟
公孟子謂子墨子曰:「昔者聖王之列也,上聖立為天子,其次立為卿、大夫,今孔子博於詩、書,察於禮樂,詳於萬物,若使孔子當聖王,則豈不以孔子為天子哉?」子墨子曰:「夫知者,必尊天事鬼,愛人用,節合焉為知矣。今子曰:「孔子博於詩書,察於禮樂,詳於萬物」,而曰可以為天子,是數人之齒,而以為富。」
新字:公孟子謂子墨子曰:「昔者聖王之列也,上聖立為天子,其次立為卿、大夫,今孔子博於詩、書,察於礼楽,詳於万物,若使孔子当聖王,則豈不以孔子為天子哉?」子墨子曰:「夫知者,必尊天事鬼,愛人用,節合焉為知矣。今子曰:「孔子博於詩書,察於礼楽,詳於万物」,而曰可以為天子,是数人之齒,而以為富。」
書き下し
公孟子、子墨子に謂いて曰く、「昔者、聖王の列するや、上聖は立ちて天子と為り、其の次は立ちて卿・大夫と為る。今、孔子は詩・書に博く、禮樂に察らかに、萬物に詳らかなり。若し孔子をして聖王に當たらしめば、則ち豈に孔子を以て天子と為さざらんや」と。子墨子曰く、「夫れ知者は、必ず天を尊び鬼に事え、人を愛し用を節す。合すれば焉れ知と為すなり。今、子曰く、『孔子は詩書に博く、禮樂に察らかに、萬物に詳らかなり』と。而して以て天子と為す可しと曰う。是れ人の齒を數えて、以て富と為すなり」と。
現代語訳
公孟子が墨子に言った。「むかし聖王が位を並べたとき、最も優れた聖人は天子となり、その次は卿や大夫となった。いま孔子は詩と書に博く、礼楽に明るく、万物に詳しい。もし孔子が聖王の時代にいたなら、孔子を天子としたのではありませんか」。墨子が言った。「知者とは、必ず天を尊び鬼神に仕え、人を愛し費用を節する者だ。それがそろってはじめて知という。いまあなたは『孔子は詩書に博く、礼楽に明るく、万物に詳しい』と言い、それで天子にできると言う。それは人の歯の数を数えて、富があると言うようなものだ」。
解説
「數人之齒、而以為富」——歯の数を数えて富だと言う。数えられるものを数えただけで、価値の判定をしたつもりになることへの批判です。墨子は天子の要件を、知識の量ではなく、天を尊び民を愛し費用を節するという行いで定めます。数えやすい指標だけで人を評価していないか、という問いにそのまま重なります。
この章句が説くこと
指標評価要件知識行い
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