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墨子 / 經說下

有指,子智是,有智是吾所先舉,重。則子智是,而不智吾所先舉也,是一。謂有智焉,有不智焉也。若智之,則當指之智告我,則我智之。兼指之以二也。衡指之,參直之也。若曰必獨指吾所舉,毋舉吾所不舉,則者固不能獨指,所欲相不傳。意若未校,且其所智是也,所不智是也,則是智是之不智也,惡得為一?謂而有智焉,有不智焉。所,智也,其執固不可指也。逃臣,不智其處。狗犬,不智其名也。遺者,巧弗能兩也。

新字:有指,子智是,有智是吾所先舉,重。則子智是,而不智吾所先舉也,是一。謂有智焉,有不智焉也。若智之,則当指之智告我,則我智之。兼指之以二也。衡指之,参直之也。若曰必独指吾所舉,毋舉吾所不舉,則者固不能独指,所欲相不伝。意若未校,且其所智是也,所不智是也,則是智是之不智也,悪得為一?謂而有智焉,有不智焉。所,智也,其執固不可指也。逃臣,不智其処。狗犬,不智其名也。遺者,巧弗能両也。

書き下し

指す有り。子、是を智り、是れ吾が先に舉ぐる所を智る有るは、重なり。則ち子、是を智れども、吾が先に舉ぐる所を智らざるは、是れ一なり。智る有り、智らざる有りと謂うなり。若し之を智らば、則ち當に之を指して智るを我に告ぐべし。則ち我れ之を智る。兼ねて之を指すは二を以てなり。衡して之を指すは、參えて之を直くするなり。若し曰く、必ず獨り吾が舉ぐる所を指し、吾が舉げざる所を舉ぐること毋かれと。則ち者は固より獨り指す能わず、相わんと欲する所、傳わらず。意うに若し未だ校せずして、且つ其の智る所は是なり、智らざる所も是なりとせば、則ち是れ是の智らざるを智るなり。惡くんぞ一と為すを得ん。謂いて智る有り、智らざる有るなり。所。智るなり、其の執、固より指す可からざるなり。逃臣は、其の處を智らず。狗犬は、其の名を智らざるなり。遺れたる者は、巧なるも兩つながらする能わざるなり。

現代語訳

指すことについて。あなたがこれを知っており、これが私の先に挙げたものだと知っているのは、重なりである。あなたがこれを知っていても私の先に挙げたものを知らないなら、それは一つである。知っているところと知らないところがある、というのはこのことだ。もし知っているなら、それを指し示して知っていると私に告げるべきである。そうすれば私も知る。あわせて指すのは二つによる。並べて指すのは、突き合わせてまっすぐにすることである。もし、必ず私の挙げたものだけを指し、私の挙げていないものを挙げるなというなら、そもそも一つだけを指すことはできず、通じ合いたいことが伝わらない。まだ突き合わせていないのに、知っているところもこれであり知らないところもこれだとするなら、それは知らないということを知っているということだ。どうして一つといえよう。だから知っているところと知らないところがある、というのである。所について。知っていても、その中身は指し示せないことがある。逃げた臣は、どこにいるか分からない。狗と犬は、その名が分からない。忘れたものは、巧みでも両方はできない。

解説

知っていることと、それを指し示せることは別だという議論です。逃げた臣がいることは知っていても居場所は指せない。犬という生き物は知っていても、その名を思い出せないことがある。知識を指せるかどうかで切り分ける発想で、暗黙知の議論に近い。伝えるためには相手と突き合わせる作業が要る、という点も述べられています。

この章句が説くこと

知識伝達暗黙指す明示

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