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墨子 / 貴義

子墨子曰:世之君子欲其義之成,而助之脩其身則愠是猶欲其牆之成,而人助之築則愠也。豈不悖哉?

書き下し

子墨子曰く、世の君子、其の義の成らんことを欲するに、之を助けて其の身を脩めしむれば則ち愠る。是れ猶お其の牆の成らんことを欲するに、人、之を助けて築けば則ち愠るがごときなり。豈に悖らざらんや。

現代語訳

墨子が言った。世の君子は、自分の義が成ることを望んでいるのに、それを助けて身を修めさせようとすると腹を立てる。これは、自分の塀ができることを望んでいるのに、人が助けて築いてくれると腹を立てるようなものだ。筋が通らないではないか。

解説

助言を受けたときに腹が立つのはなぜか、を一行で照らします。塀を築くのを手伝われて怒る人はいない。ところが身を修めるのを手伝われると怒る。目的が同じなら手伝いは歓迎すべきものだ、という単純な指摘が、かえって効きます。指摘を受けて反射的に身構えたとき、思い出したい一段です。腹が立った理由は、たいてい内容ではなく、指摘されたこと自体にあります。

この章句が説くこと

助言目的反発修養矛盾

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