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墨子 / 經說下

買,刀糴相為賈。刀輕則糴不貴,刀重則糴不易。王刀無變,糴有變,嵗變糴則嵗變刀,若鬻子。賈,盡也者,盡去其以不讐也。其所以不讐去,則讐。缶賈也宜不宜,缶欲不欲,若敗邦鬻室嫁子無,子在軍,不必其死生;聞戰,亦不必其生。前也不懼,今也懼。或,知是之非此也,有知是之不在此也,然而謂此。南北過,而以己為然。始也謂此南方,故今也謂此南方。智,論之,非智無以也。

新字:買,刀糴相為賈。刀軽則糴不貴,刀重則糴不易。王刀無変,糴有変,歳変糴則歳変刀,若鬻子。賈,尽也者,尽去其以不讐也。其所以不讐去,則讐。缶賈也宜不宜,缶欲不欲,若敗邦鬻室嫁子無,子在軍,不必其死生;聞戦,亦不必其生。前也不懼,今也懼。或,知是之非此也,有知是之不在此也,然而謂此。南北過,而以己為然。始也謂此南方,故今也謂此南方。智,論之,非智無以也。

書き下し

買。刀と糴と相い賈を為す。刀輕ければ則ち糴、貴からず。刀重ければ則ち糴、易からず。王刀に變無く、糴に變有り。嵗ごとに糴を變ずれば則ち嵗ごとに刀を變ず。子を鬻ぐが若し。賈。盡なる者は、盡く其の讐れざる所以を去るなり。其の讐れざる所以、去れば、則ち讐る。缶く賈は宜しきと宜しからざるとあり、缶く欲すると欲せざるとあり。邦を敗りて室を鬻ぎ子を嫁がしむるが若し。無。子、軍に在らば、必ずしも其の死生あらず。戰を聞けば、亦た必ずしも其れ生きず。前には懼れず、今は懼る。或。是の此に非ざるを知るは、是の此に在らざるを知る有り。然り而して此と謂う。南北に過りて、己を以て然りと為す。始めに此を南方と謂う、故に今も此を南方と謂う。智。之を論ずるは、智に非ざれば以て無きなり。

現代語訳

買うことについて。貨幣と穀物とは互いに値を作る。貨幣が軽ければ穀物は高くない。貨幣が重ければ穀物は買いやすくない。王の貨幣は変わらないのに穀物の値は変わる。年ごとに穀物の値が変われば、年ごとに貨幣の値も変わる。子を売るようなものだ。値について。売り尽くすとは、売れない理由をすべて取り除くことである。売れない理由が取り除かれれば、売れる。値には適したものと適さないものがあり、欲しいものと欲しくないものがある。国が敗れて家を売り子を嫁がせるようなものだ。無について。子が軍にいれば、必ず死ぬとも生きるとも決まらない。戦のことを聞いても、必ず生きるとは限らない。以前は恐れなかったのに、いまは恐れる。或について。これがこれでないと知るのは、これがここにないと知ることである。それでもこれだという。南北を通り過ぎて、自分の思うとおりだとする。はじめにここを南だと言った。だからいまもここを南だと言う。智について。それを論じるのは、知でなければできない。

解説

貨幣と物価の関係を述べた、経済思想としても早い記述です。「王刀無變,糴有變」——貨幣そのものは変わらないのに、穀物の値は変わる。そして値が変われば貨幣の値も変わったことになる。売れないときは売れない理由を取り除け、という一行も実務的です。後半の「始也謂此南方、故今也謂此南方」は、最初にそう呼んだからいまもそう呼ぶという惰性を指摘しています。

この章句が説くこと

貨幣物価惰性判断

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