墨子 / 非樂上
子墨子言曰:仁者之事必務求興天下之利,除天下之害。将以為法乎天下,利人乎即為,不利人乎即止。且夫仁者之為天下度也,非為其目之所美,耳之所樂,口之所甘,身體之所安,以此虧奪民衣食之財,仁者弗為也。
新字:子墨子言曰:仁者之事必務求興天下之利,除天下之害。将以為法乎天下,利人乎即為,不利人乎即止。且夫仁者之為天下度也,非為其目之所美,耳之所楽,口之所甘,身体之所安,以此虧奪民衣食之財,仁者弗為也。
書き下し
子墨子言いて曰く、仁者の事は必ず務めて天下の利を興し、天下の害を除かんことを求む。将に以て天下に法を為さんとす。人を利すれば即ち為し、人を利せざれば即ち止む。且つ夫れ仁者の天下の為に度るや、其の目の美とする所、耳の樂しむ所、口の甘しとする所、身體の安んずる所の為にするに非ず。此を以て民の衣食の財を虧き奪うは、仁者、為さざるなり。
現代語訳
墨子が言った。仁ある人の仕事は、必ず努めて天下の利を起こし天下の害を除くことである。それを天下の基準としようとする。人を利するなら行い、人を利さないなら止める。そもそも仁ある人が天下のために計るのは、目に美しいもの、耳に楽しいもの、口に甘いもの、身体に心地よいもののためではない。それによって民の衣食の財を欠けさせ奪うことは、仁ある人はしない。
解説
非樂篇の判定基準が最初に置かれます。「利人乎即為、不利人乎即止」——人を利するなら行い、利さないなら止める。この一行だけで判定できる。そのうえで、目・耳・口・身体の四つの快を挙げ、それらは判定の対象外だと宣言します。快そのものを否定するのではなく、判定の材料から外すという整理です。何を測らないかを先に決めておくと、議論が好みの話に流れません。
この章句が説くこと
判定基準利快除外仁者
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『墨子』經說上平。惔然たり。利。是を得て喜べば、則ち是れ利なり。其の害は、是に非ざるなり。害。是を得て惡めば、則ち是れ害なり。其の利は、是に非ざるなり。治。吾が事、治まれり。人に南北を治むる有り。譽む。必ず其の行いなり、其の言の忻ぶなり。人をして之を督せしむ。誹る。必ず其の行いなり、其の言の忻ぶなり。譽むるに文名を以て告ぐるは、彼の實を舉ぐるなり。故。言なる者は、諸れ口能く之を出だして民するものなり。民は畫俿の若きなり。言や言と謂う、猶お名の致すがごときなり。且。前よりするを且と曰い、後よりするを己と曰う。方に然らんとするも亦た且なり。名の若き者は、君なり、若の名を以てする者なり。功は時を待たず、衣裘の若し。功は時を待たず、衣裘の若し。賞。罪は禁に在らず、惟だ害あれば罪無きも殆く姑し。上、下の功に報ゆるなり。
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