墨子 / 天志中
不止此而已,書於竹帛,鏤之金石,琢之槃盂,傳遺後世子孫。曰將何以為?將以識夫愛人利人,順天之意,得天之賞者也。皇矣道之曰:「帝謂文王,予懷明徳,不大聲以色,不長夏以革,不識不知,順帝之則。」帝善其順法則也,故舉殷以賞之,使貴為天子,富有天下,名譽至今不息。故夫愛人利人,順天之意,得天之賞者,既可得留而已。
新字:不止此而已,書於竹帛,鏤之金石,琢之槃盂,伝遺後世子孫。曰将何以為?将以識夫愛人利人,順天之意,得天之賞者也。皇矣道之曰:「帝謂文王,予懐明徳,不大声以色,不長夏以革,不識不知,順帝之則。」帝善其順法則也,故舉殷以賞之,使貴為天子,富有天下,名誉至今不息。故夫愛人利人,順天之意,得天之賞者,既可得留而已。
書き下し
此に止まるのみに非ず、竹帛に書し、之を金石に鏤め、之を槃盂に琢み、後世の子孫に傳え遺す。曰く、將に何を以て為さんとするや。將に以て夫の人を愛し人を利し、天の意に順いて、天の賞を得たる者を識さんとするなり。皇矣、之を道いて曰く、「帝、文王に謂う、予れ明徳を懷う。聲と色とを大にせず、夏を長ぜず革を以てせず、識らず知らず、帝の則に順う」と。帝、其の法則に順うを善しとす。故に殷を舉げて以て之に賞し、貴きこと天子と為し、富は天下を有たしめ、名譽、今に至るまで息まず。故に夫れ人を愛し人を利し、天の意に順いて、天の賞を得たる者は、既に得て留む可きのみ。
現代語訳
それだけではない。竹簡と絹布に書き、金石に刻み、盤や盂に彫って、後世の子孫に伝え残す。何のためにか。人を愛し人を利し、天の意に順って天の賞を得た者を記録するためである。『皇矣』はこう語る。「帝が文王に言った、私は明らかな徳を思う。声と色を大きくせず、猛々しくせず力にも頼らず、意識せず知りもせずに、帝の法則に順っている」。帝はその法則に順う姿を善しとした。だから殷を挙げてこれに賞し、天子として貴くし、天下を持つほど富ませ、名誉は今に至るまでやまない。だから人を愛し人を利し、天の意に順って天の賞を得た者のことは、こうして留めておける。
解説
記録という行為の意味を説明します。竹帛・金石・盤盂の三つの媒体に書くのは、何を賞したかを後世に残すため。組織の記録は、何を良しとしたかの宣言になります。引かれる詩の一句「不識不知、順帝之則」——意識も知りもせず法則に順う、は特に有名で、規範が身についた状態を表します。努力して守る段階を過ぎて、自然にそうなっている状態です。
この章句が説くこと
記録宣言後世規範身につく
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