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墨子 / 天志中

且吾所以知天之愛民之厚者,不止此而已矣。曰愛人利人,順天之意,得天之賞者有矣。憎人賊人,反天之意,得天之罰者亦有矣。

書き下し

且つ吾が天の民を愛するの厚きを知る所以の者は、此に止まるのみに非ざるなり。曰く、人を愛し人を利し、天の意に順いて、天の賞を得たる者、有り。人を憎み人を賊い、天の意に反して、天の罰を得たる者も亦た有り。

現代語訳

私が天の民への愛の厚さを知る理由は、これだけにとどまらない。人を愛し人を利し、天の意に順って天の賞を得た者がある。人を憎み人を損ない、天の意に反して天の罰を得た者もまたある。

解説

短い一章ですが、次章の長い実例列挙への導入になっています。「有矣」——現にある、という言い方で締めるのが墨子の癖で、主張を可能性ではなく実例の存在として提示します。次の章で堯舜禹湯文武と桀紂幽厲が、それぞれの側の実例として並べられていきます。あり得ると言うのではなく、現にあったと言う。証拠の置き方に対する構えが、この二字に表れています。

この章句が説くこと

実例両側導入天賞罰

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