墨子 / 天志上
然則何知天之欲義而惡不義?曰:天下有義則生,無義則死;有義則富,無義則貧;有義則治,無義則亂。然則天欲其生而惡其死,欲其富而惡其貧,欲其治而惡其亂,此我所以知天欲義而惡不義也。
新字:然則何知天之欲義而悪不義?曰:天下有義則生,無義則死;有義則富,無義則貧;有義則治,無義則乱。然則天欲其生而悪其死,欲其富而悪其貧,欲其治而悪其乱,此我所以知天欲義而悪不義也。
書き下し
然らば則ち何ぞ天の義を欲して不義を惡むを知るや。曰く、天下に義有れば則ち生き、義無ければ則ち死す。義有れば則ち富み、義無ければ則ち貧し。義有れば則ち治まり、義無ければ則ち亂る。然らば則ち天は其の生を欲して其の死を惡み、其の富を欲して其の貧を惡み、其の治を欲して其の亂を惡む。此れ我が天の義を欲して不義を惡むを知る所以なり。
現代語訳
では、なぜ天が義を望み不義を憎むと分かるのか。天下に義があれば生き、義が無ければ死ぬ。義があれば富み、義が無ければ貧しい。義があれば治まり、義が無ければ乱れる。とすれば天はその生を望んでその死を憎み、その富を望んでその貧を憎み、その治まりを望んでその乱れを憎む。これが、天が義を望み不義を憎むと私が判断する理由である。
解説
天の意思をどうやって知るのか、という問いへの答えです。天に直接聞くのではなく、義がある場合と無い場合で結果がどう違うかを観察し、そこから逆算します。生・富・治は誰もが望むもので、それが義と相関している。天の意思を結果から推定する、という手続きです。信仰の言葉づかいをしながら、中身は経験的な推論になっています。
この章句が説くこと
推論相関観察義逆算
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