墨子 / 節葬下
今王公大人之為葬埋,則異於此。必大棺、中棺,革闠三操,璧玉即具,戈劍鼎鼔壺濫、文繡素練、大鞅萬領、輿馬女樂皆具,曰必捶捈差通,壟鋭比山陵。此為輟民之事,靡民之財,不可勝計也。其為無用若此矣。
新字:今王公大人之為葬埋,則異於此。必大棺、中棺,革闠三操,璧玉即具,戈剣鼎鼓壺濫、文繍素練、大鞅万領、輿馬女楽皆具,曰必捶捈差通,壟鋭比山陵。此為輟民之事,靡民之財,不可勝計也。其為無用若此矣。
書き下し
今、王公大人の葬埋を為すは、則ち此と異なれり。必ず大棺・中棺、革闠三たび操り、璧玉、即ち具え、戈劍・鼎鼔・壺濫、文繡・素練、大鞅萬領、輿馬・女樂、皆な具う。曰く、必ず捶捈し差通し、壟は鋭くして山陵に比す、と。此れ民の事を輟め、民の財を靡やすことを為すこと、勝げて計う可からざるなり。其の無用為ること此くの若し。
現代語訳
いま王公大人が埋葬を行うのは、これとは違う。必ず大棺と中棺を重ね、革の覆いを三重に巻き、玉をひととおり揃え、戈・剣・鼎・太鼓・壺・盤、刺繍と白絹、大きな覆い一万そろい、車馬と女楽団をすべて揃える。そして必ず打ち固め掘り通し、墓の盛り土は鋭くそびえて山になぞらえる、という。これは民の仕事を止め、民の財を浪費すること、数え切れない。その無用ぶりはこの通りである。
解説
前章で聖王の簡素な葬りを示した直後に、当時の実態を並べます。対比の構成が明快で、読む側が判定する材料はもう出そろっている。列挙される品目が具体的なのも同じで、大棺・中棺・革の覆い三重・玉・武具・楽器・絹・車馬・女楽団。慣習が肥大していく過程は、いつの時代も品目の追加として起こります。一つずつは小さな追加で、誰も全体の総額を見ていないところまで同じです。
この章句が説くこと
肥大対比品目浪費慣習
関連する章句
-
『都鄙問答』卷之二・或人親へ仕之事ヲ問之段如何となれば、紂王は、我を助け諫むる者の胸をさく。汝は家を思ふ手代の心を痛ましむ。是忠義の者を害ふこと、紂王に、なんぞ替りあらん。恐るべきことなり。人たる道を以て云はゞ、其一日遣ひ費す金銀を、家内の者に恵まば、汝が志を神の如くに思ふべし。家内の者に、神の如くに思はれなば、主人の法と成るべきに、汝ごとき者は、必ず内にては吝きものなり。両親は是を見て、あの細さにては、多分の金は遣ふまじと思ひ居て、津波に値ひたる如く、家屋鋪一度に取らるゝ時のいたましさよ。扠又右のことを、供の小者や男どもは、家内にて物語は致さず候や。
-
『太上感応篇』悪行・五穀を散棄し、衆生を労擾す故無くして剪裁し、礼に非ずして烹宰す。五穀を散棄し、衆生を労擾す。人の家を破りて、其の財宝を取る。水を決し火を放ちて、以て民居を害す。
-
『学問のすゝめ』十六編・手近く独立を守ること・銭を制して銭に制せられずかかる夢中の世渡りに心を労し、身を役し、一年千円の歳入も、一月百円の月給も、遣い果たしてその跡を見ず、不幸にして家産歳入の路を失うか、または月給の縁に離るることあれば、気抜けのごとく、間抜けのごとく、家に残るものは無用の雑物、身に残るものは奢侈の習慣のみ。憐れと言うもなおおろかならずや。産を立つるは一身の独立を求むるの基なりとて心身を労しながら、その家産を処置するの際に、かえって家産のために制せられて独立の精神を失い尽くすとは、まさにこれを求むるの術をもってこれを失うものなり。余輩あえて守銭奴の行状を称誉するにあらざれども、ただ銭を用うるの法を工夫し、銭を制して銭に制せられず、毫も精神の独立を害することなからんを欲するのみ。
-
『都鄙問答』卷之二・或人親へ仕之事ヲ問之段曰く、いかさま是の不審は尤もに候。一事を挙げて云はゞ、芝居の顔見世毎に、桟敷二三軒も借り候へば、相応の雑用かゝり申し候。委細は申すに及ばず、思し召しの外入用これあり候。此味は、学知の及ぶ所にては此なく候。答ふ、芝居顔見世、一度に桟敷二三軒も借ると云へり。其客と云ふは、振舞の雑用のみならず、其上悉く金銀を出す客ならん。其金銀の出づる客を、二三軒の桟敷に一杯おかば、親の渡さるゝ小遣ひにて、足らざること聞えたり。いかさま世に稀なる薬袋なしとは、汝がことなり。家内の手代は、一分二分五厘三厘を争ひて商売をなし、汗を流し設くる金銀を、一度に遣ひ費すこと、家内の人の血肉を吸ひからすに同じ。殷の紂王の、比干が胸をさくに異ならず。
-
『茶の本』第六章 花・西洋の社会における花の浪費西洋の社会における花の浪費は、東洋の宗匠の花の扱い方よりもさらに驚き入ったものである。舞踏室や宴会の席を飾るために日々切り取られ、翌日は投げ捨てられる花の数は、なかなか莫大なものに違いない。いっしょにつないだら一大陸を花輪で飾ることもできよう。このような、花の命を全く物とも思わぬことに比ぶれば、花の宗匠の罪は取るに足らないものである。彼は少なくとも自然の経済を重んじて、注意深い慮りをもってその犠牲者を選び、死後はその遺骸に敬意を表する。西洋においては、花を飾るのは富を表わす一時的美観の一部、すなわちその場の思いつきであるように思われる。これらの花は皆その騒ぎの済んだあとはどこへ行くのであろう。しおれた花が無情にも糞土の上に捨てられているのを見るほど、世にも哀れなものはない。
-
『学問のすゝめ』七編・国民の職分を論ず・思案にも及ばず快く運上を払うべき世上の有様を見るに、普請に金を費やす者あり、美服美食に力を尽くす者あり、はなはだしきは酒色のために銭を棄てて身代を傾くる者もあり、これらの費えをもって運上の高に比較しなば、もとより同日の話にあらず、不筋の金なればこそ一銭をも惜しむべけれども、道理において出だすべきはずのみならず、これを出だして安きものを買うべき銭なれば、思案にも及ばず快く運上を払うべきなり。

人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る