牧民忠告 / 救荒
故事:民之稅賦,三年則第按慣例其貧富而均平之。或好名未及而先為,或避謗逾期而不為,皆非也。如期行之,民受賜不淺矣。
新字:故事:民之税賦,三年則第按慣例其貧富而均平之。或好名未及而先為,或避謗逾期而不為,皆非也。如期行之,民受賜不浅矣。
書き下し
故事(こじ):民の税賦は、三年にして則ち第(だい)し、慣例に按(あん)じて其の貧富をはかりて之を均平にす。或いは名を好みて未だ及ばざるに先んじて為し、或いは謗りを避けて期を逾(こ)えて為さず、皆非なり。期の如く之を行えば、民の賜を受くること浅からず。
現代語訳
先例では、民の税負担は三年ごとに、慣例に照らして貧富の等級を定め、均等になるよう調整する。ところが、名声を求めて時期が来る前に先走って行う者もいれば、批判を避けようとして期限を過ぎても行わない者もいる。どちらも誤りである。定められた時期どおりに実行すれば、民が受ける恩恵は浅くない。
解説
本条は、税の公平な割り当てを定期的に見直す制度について、その運用のタイミングを論じる。名誉を求めて時期を先取りするのも、批判を恐れて先延ばしにするのも、いずれも制度の趣旨から外れた私心による逸脱だと戒めている。重要なのは、定められた手続きと時期を淡々と守り抜くことであり、そこに為政者個人の功名心や保身が入り込んではならないという指摘である。これは現代の組織における制度運用にも通じる教訓であり、人事評価や予算配分などの定期的な見直しを、担当者の売名行為や責任回避の道具にせず、決められたルールとタイミングどおりに公正に実施することの大切さを示している。
この章句が説くこと
均賦公平制度運用私心
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