仏遺教経 / 質直を本と為す
汝等比丘、諂曲之心、與道相違、是故宜應質直其心。當知諂曲但為欺誑、入道之人、則無是處。是故汝等、宜當端心、以質直為本。
新字:汝等比丘、諂曲之心、与道相違、是故宜応質直其心。当知諂曲但為欺誑、入道之人、則無是処。是故汝等、宜当端心、以質直為本。
書き下し
汝等比丘、諂曲の心は、道と相い違う。是の故に宜しく応に其の心を質直にすべし。当に知るべし、諂曲は但だ欺誑を為すのみ。入道の人には、則ち是の処無し。是の故に汝等、宜しく当に心を端しくし、質直を以て本と為すべし。
現代語訳
比丘たちよ、へつらい曲がった心は、道と相反する。だからその心をまっすぐにするのがよい。知るべきである、へつらい曲がることは、ただ欺くだけである。道に入った人には、そういうことはあり得ない。だからおまえたちは心を正しくし、まっすぐであることを根本とせよ。
解説
諂曲——へつらい、曲げること。これを「ただ欺くだけ」と言い切っている。相手に合わせているつもりでも、実質は嘘だ、という判定である。だから対置されるのが質直、まっすぐであること。ここで押さえたいのは、質直が正直さの美徳としてではなく、道と両立するかどうかで測られている点だ。曲がった心では、そもそも進めない。次に続く少欲の段と組み合わせると理由が見えてくる。多くを求める者は、人の意に沿おうとしてへつらう。求めるものが少なければ、へつらう必要がなくなる。
この章句が説くこと
諂曲質直を本と為す但だ欺誑を為す道と相い違う誠実さ
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