仏遺教経 / 戒は解脱の本
此則略說持戒之相。戒是正順解脫之本、故名波羅提木叉。因依此戒、得生諸禪定、及滅苦智慧。是故比丘、當持淨戒、勿令毀缺。若能持淨戒、是則能有善法、若無淨戒、諸善功德皆不得生。是以當知、戒為第一安隱功德住處。
新字:此則略説持戒之相。戒是正順解脫之本、故名波羅提木叉。因依此戒、得生諸禅定、及滅苦智慧。是故比丘、当持浄戒、勿令毀欠。若能持浄戒、是則能有善法、若無浄戒、諸善功徳皆不得生。是以当知、戒為第一安隠功徳住処。
書き下し
此れ則ち略して持戒の相を説く。戒は是れ正順解脱の本なり。故に波羅提木叉と名づく。此の戒に因り依りて、諸の禅定、及び苦を滅する智慧を生ずるを得。是の故に比丘、当に浄戒を持して、毀缺せしむること勿かるべし。若し能く浄戒を持たば、是れ則ち能く善法有り。若し浄戒無くんば、諸の善功徳は皆な生ずるを得ず。是を以て当に知るべし、戒は第一の安隠功徳の住処たり。
現代語訳
これがかいつまんで説いた戒のありようである。戒は正しく解脱に順う根本である。だから波羅提木叉(解脱への道)という。この戒によりかかってこそ、さまざまな禅定と、苦を滅する智慧が生まれる。だから比丘たちよ、清らかな戒を保ち、欠けさせてはならない。清らかな戒を保てるなら、そこに善き法が生じる。清らかな戒がなければ、あらゆる善き功徳は生じない。だから知るべきである。戒こそ第一の安らかな功徳の住処なのだ。
解説
戒・定・慧という三学の順序を、一段で説明している。戒があって初めて禅定が生まれ、禅定があって智慧が生まれる。逆はない。だから戒は縛りではなく、他のすべてが立つための土台として位置づけられる。「戒は第一の安隠功徳の住処」——守るべき規範ではなく、安心して住める場所だという言い方が印象深い。直前の段では持戒の具体が並ぶ。売買や田宅の所有、占いや星見、世事への関与、権力者との交際——これらを避けよ、と。禁止の列挙に見えて、要は本業に集中せよという話でもある。
この章句が説くこと
戒定慧波羅提木叉戒は解脱の本第一の安隠功徳の住処
関連する章句
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