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都鄙問答 / 卷之二・鬼神ヲ遠ト云事ヲ問ノ段

或問曰、我朝ノ神ノ道ト、唐土ノ儒道トハ、異ナル所アリ、孔子告樊遲曰、敬鬼神而遠之可謂知トアリ、我朝ノ神ノ道ハ左ニアラズ、然ルニ神ト云名ハ同フシテ、加樣ニ替アルコトハ如何、答、汝ハ、我朝ノ神明ハ、イカヾ心得ラレ候ヤ、

新字:或問曰、我朝ノ神ノ道ト、唐土ノ儒道トハ、異ナル所アリ、孔子告樊遅曰、敬鬼神而遠之可謂知トアリ、我朝ノ神ノ道ハ左ニアラズ、然ルニ神ト云名ハ同フシテ、加様ニ替アルコトハ如何、答、汝ハ、我朝ノ神明ハ、イカヾ心得ラレ候ヤ、

書き下し

或問曰、我朝の神の道と、唐土の儒道とは、異なる所あり。孔子告樊遅曰、鬼神を敬して之を遠ざく、知と謂ふべしとあり。我朝の神の道は左にあらず。然るに神と云名は同ふして、加様に替あることは如何。答、汝は、我朝の神明は、いかゞ心得られ候や。

現代語訳

ある人が尋ねました。「わが国の神の道と中国の儒道とは違うところがあります。孔子は樊遅に『鬼神を敬して之を遠ざく、知と謂うべし』と告げたとあります。わが国の神の道はそうではありません。神という名は同じなのに、このように違うのはどういうわけでしょう。」梅岩「あなたは、わが国の神々をどのように心得ておられますか。」

解説

巻之二の最初の段「鬼神ヲ遠ト云事ヲ問ノ段」の書き出しです。引かれるのは『論語』雍也篇、樊遅が知について問うたとき孔子が「民の義を務め、鬼神を敬して之を遠ざく、知と謂うべし」と答えた言葉です。日本の神道は神に親しく近づくのに、儒学は神を遠ざけよと言う。儒学を学ぶことが日本の神々への不敬にならないか、という江戸の庶民らしい疑問です。梅岩はすぐに答えず、まず相手の神観を問い返します。相手の前提を確かめてから答えるのは、問答の名手としての梅岩の型です。

この章句が説くこと

神道鬼神儒道問答

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