牧民忠告 / 宣化
毀淫祠,非燭理明而信道篤者不能,非行己端而處心正者不敢。
新字:毀淫祠,非燭理明而信道篤者不能,非行己端而処心正者不敢。
書き下し
淫祠(いんし)を毀(こぼ)つは、理を燭(てら)すこと明らかにして道を信ずること篤き者に非ざれば能わず、己を行うこと端にして心を處(お)くこと正しき者に非ざれば敢えてせず。
現代語訳
不当な淫祠(いかがわしい祭祀の社)を取り壊すことは、道理を明らかに見通し道を篤く信じる者でなければできず、自らの行いが正しく心の置き所が正しい者でなければ、あえて実行することはできない。
解説
「毀淫祠」は、迷信的な信仰の対象を取り除くという一見単純な行政行為が、実は為政者自身の見識と人格の深さを要する難事であることを説く一条である。張養浩は、道理への明晰な理解と篤い信念、そして正しい行いと心構えがなければこの種の改革は成し遂げられないとする。旧弊を打破する改革には、民衆の反発や既得権益との摩擦がつきものであり、それに耐えうる見識と徳がなければ着手すべきではないという戒めでもある。現代の組織改革においても、慣行やしきたりを打破するには、単なる権限だけでなく、周囲を納得させるだけの筋の通った見識と誠実さが不可欠である。
この章句が説くこと
毀淫祠改革見識誠実
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