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酔古堂剣掃 / 集倩・酒酣にして琵琶を彈ず

馮惟一以杯酒自娛,酒酣即彈琵琶,彈罷賦詩,詩成起舞。時人愛其俊逸。

新字:馮惟一以杯酒自娯,酒酣即弾琵琶,弾罷賦詩,詩成起舞。時人愛其俊逸。

書き下し

馮惟一は杯酒を以て自ら娛しみ、酒酣なれば即ち琵琶を彈じ、彈じ罷みて詩を賦し、詩成りて起ちて舞ふ。 時人其の俊逸を愛す。

現代語訳

馮惟一は杯の酒で自分を楽しませ、酒がたけなわになると琵琶を弾き、弾き終えると詩を作り、詩ができると立ち上がって舞いました。当時の人々は、その才気あふれる自由なふるまいを愛しました。

解説

一人の人物の風流ぶりを、酒から音楽、詩、舞へと連鎖する動きで描いた一則です。馮惟一がどのような人物かは詳しくわかりませんが、古い逸話集に見える文人の一人と考えられます。自ら娯しむという言葉が示すとおり、人に見せるためではなく、自分の楽しみとして酒を飲み、琵琶を弾き、詩を作り、舞っています。一つの楽しみが次の楽しみを呼び、興がとどまることなく高まっていく様子が、短い文の連なりから生き生きと伝わってきます。俊逸は才能がすぐれて、俗を抜け出ているさまです。人々が愛したのは、技の見事さだけでなく、心のままに楽しむ自由な姿そのものだったのでしょう。人の目を気にせず、自分の楽しみを素直に表せる人は、今も周りの人を明るくするものです。
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この章句が説くこと

風流音楽詩飲酒自適

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