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酔古堂剣掃 / 集倩・馬上に風に臨む

妙笛至山水佳處,馬上臨風,快作數弄。

新字:妙笛至山水佳処,馬上臨風,快作数弄。

書き下し

妙笛、山水の佳き處に至らば、馬上に風に臨みて、快く數弄を作す。

現代語訳

よい笛を持って山水の美しいところに来たら、馬の上で風に向かって、気持ちよく何曲か吹くのがよいのです。

解説

よい笛を携えて山水の中を行く、爽快な楽しみを描いた一則です。妙笛はすぐれた笛、またその吹き手とも読めます。弄は曲を奏でることで、数弄は何曲か吹くことです。馬の上で風を受けながら笛を吹くという姿には、東晋の桓伊が、道で出会った王徽之に請われて車から降り、笛を三曲吹いて、言葉も交わさず去ったという『世説新語』の話のような、とらわれない風流が感じられます。美しい景色に出会ったとき、その感動を音楽にして風に乗せるというのは、なんとも伸びやかな喜びです。演奏はふつう室内で聞くものと思いがちですが、外の景色と響き合うと音楽はまた違った命を持ちます。旅先や散歩道で、心が動いた瞬間を何かの形で表してみると、その場所がいっそう忘れがたくなるでしょう。

この章句が説くこと

音楽山水風雅

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