酔古堂剣掃 / 集法・風ならざるの波
不風之波,開眼之夢,皆能增進道心。
書き下し
風ならざるの波、眼を開くの夢、皆能く道心を增進す。
現代語訳
風もないのに立つ波、目を開けたまま見る夢、どちらも道を求める心を進めてくれます。
解説
思いがけない災難と、世のはかなさの自覚が、どちらも修養の助けになると説いた一則です。風ならざるの波は、何の原因もなく突然降りかかる災いのたとえでしょう。眼を開くの夢は、起きている間に見る夢、つまりこの世の名利や栄華が夢のようにはかないことを言うと読めます。道心は、道を求める心、仏道でいう菩提心にも通じる言葉です。理不尽な目にあったとき、また人生のむなしさを感じたとき、人は初めて本当に大切なものを求め始めます。つらい出来事も、心を深める入り口になりうるのです。
この章句が説くこと
逆境無常修身道心達観
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