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酔古堂剣掃 / 集奇・一塊の蒲團に坐す

問近日講章孰佳,坐一塊蒲團自佳;問吾濟嚴師孰尊,對一枝紅燭自尊。

新字:問近日講章孰佳,坐一塊蒲団自佳;問吾済厳師孰尊,対一枝紅燭自尊。

書き下し

近日の講章孰れか佳きと問へば、一塊の蒲團に坐すれば自ら佳し。 吾が濟の嚴師孰れか尊きと問へば、一枝の紅燭に對すれば自ら尊し。

現代語訳

近ごろの講義録ではどれが良いかと問われれば、一枚の座布団に坐っていれば、それだけで良いのです。我々の厳しい師の中で誰が尊いかと問われれば、一本の赤いろうそくに向かっていれば、それだけで尊いのです。

解説

学びの良し悪しを外に求める人に、内に向かう工夫を示した一則です。講章は、科挙の受験生が読む経書の講義録のことです。どの参考書が良いかと尋ねる人に、蒲団に坐って静かに心を見つめることこそ最良の講義だと答えます。どの師が尊いかと尋ねる人には、夜にろうそくをともして独り書に向かう時間こそ尊い師だと答えます。原文の「吾濟」は「吾儕(われら)」の誤りと見て読みました。良い教材や良い先生を探すことは大切ですが、それを探すことに終始して、自分で座って考える時間を持たなければ何も身につきません。学びの本体は、独りで向き合う静かな時間の中にあるということでしょう。

この章句が説くこと

学問読書独学静坐内省

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