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酔古堂剣掃 / 集韻・數聲の牛笛

萍花香裏風清,幾度漁歌;楊柳影中月冷,數聲牛笛。

新字:萍花香裏風清,幾度漁歌;楊柳影中月冷,数声牛笛。

書き下し

萍花香る裏に風清く、幾度か漁歌す。楊柳の影中に月冷やかに、數聲の牛笛あり。

現代語訳

浮き草の花が香る中を清らかな風が吹き、幾度も漁師の歌が聞こえてきます。柳の影の中に月が冷ややかにかかり、牛飼いの吹く笛が数声響きます。

解説

水辺と村の夜の情景を、音で結んだ対句です。萍花は浮き草の花で、夏から秋にかけて水面に小さく咲きます。漁歌は漁師が舟の上で歌う歌、牛笛は牛の背に乗った牧童が吹く笛です。どちらも名もない庶民の素朴な音楽ですが、清らかな風と冷ややかな月の中で聞くと、何よりも心にしみる調べになります。隠棲した文人たちは、こうした漁師や牧童の暮らしに、俗塵を離れた自由の姿を見ました。華やかな演奏会でなくても、暮らしの中にふと聞こえてくる音に心が動くことがあります。そうした素朴な音に耳を開いておきたいものです。

この章句が説くこと

風雅自然閑適隠逸音楽

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