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酔古堂剣掃 / 集素・善く故に托するを巧術と為す

物情以常無事為歡顏,世態以善托故為巧術。

新字:物情以常無事為歓顔,世態以善托故為巧術。

書き下し

物情は常に事無きを以て歡顏と為し、世態は善く故に托するを以て巧術と為す。

現代語訳

人の心は、いつも何事もないことを喜んで笑顔を見せます。世の中は、うまく口実にかこつけることを巧みな術だとみなします。

解説

人情と世相を冷静に観察した短い一則です。物情は人々の気持ち、世態は世の中のありさまを指します。前の句は、人は何事も起こらない平穏をもっとも喜ぶものだ、という素直な観察です。後の句の托故は、何かの理由や事情にかこつけることで、面倒を避けたり責任を逃れたりするための言い訳を指します。世の中では、そうした口実を上手に使う人が世渡り上手と見なされている、という皮肉が込められています。平穏を好む心が、かえって言い訳上手を育ててしまうという関係も読み取れます。自分が断りや遅れの理由をうまく取りつくろっていないか、ときどき点検してみたくなる一句です。
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人生を、一行の式にしてみた。

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この章句が説くこと

処世世態誠実人情言い訳

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