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酔古堂剣掃 / 集素・吾は本薄福の人なり

吾本薄福人,宜行惜福事;吾本薄德人,宜行厚德事。

新字:吾本薄福人,宜行惜福事;吾本薄徳人,宜行厚徳事。

書き下し

吾は本薄福の人なり、宜しく福を惜しむの事を行ふべし。 吾は本薄德の人なり、宜しく德を厚くするの事を行ふべし。

現代語訳

私はもともと福の薄い人間ですから、福を大切にすることを行うべきです。私はもともと徳の薄い人間ですから、徳を厚くすることを行うべきです。

解説

自分の足りなさを認めたうえで、何をすべきかを定めた謙虚な一則です。薄福は福運が薄いこと、惜福は与えられた福を浪費せず大切にすることです。薄徳は徳が足りないこと、厚徳は徳を厚く積むことです。自分は恵まれていないと嘆くのではなく、だからこそ今ある福を惜しみ、足りない徳を補う行いを重ねようという姿勢です。明代の袁了凡が『了凡四訓』で説いた、善を積んで自ら運命を切り開く考え方にも通じます。自分の弱みを知る人は、それを補うために何をすべきかも分かります。恵まれていないと感じるときこそ、手元のものを大切にし、小さな善い行いを積み重ねる好機なのかもしれません。

この章句が説くこと

惜福厚徳謙虚修身積善

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