酔古堂剣掃 / 集靈・人生の三樂
閉門閱佛書,開門接佳客,出門尋山水,此人生三樂。
新字:閉門閲仏書,開門接佳客,出門尋山水,此人生三楽。
書き下し
門を閉ぢて佛書を閱し、門を開きて佳客を接し、門を出でて山水を尋ぬ、此れ人生の三樂なり。
現代語訳
門を閉ざして仏書を読み、門を開いてよい客を迎え、門を出て山水をたずねる。これが人生の三つの楽しみです。
解説
門を閉じる、開く、出るという三つの動作で、人生の楽しみを並べた一則です。一人で書物に向かう時間、人と語り合う時間、自然の中を歩く時間が、それぞれ門を境にして描かれています。孟子にも君子の三楽がありますが、こちらは家族や教育ではなく、読書と交友と山水という、文人らしい楽しみです。三つが偏りなくそろっていることに意味があります。内にこもるだけでも、人と会うだけでも、外を歩くだけでも心は疲れます。一日の中に、ひとりの時間、人との時間、自然の時間をほどよく置くことは、今の暮らしでも心の健康を保つ工夫になります。
この章句が説くこと
読書交友山水閑適人生
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