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酔古堂剣掃 / 集峭・巧を賣り得て拙を藏し得ず

任他極有見識,看得假認不得真;隨你極有聰明,賣得巧藏不得拙。

新字:任他極有見識,看得仮認不得真;随你極有聰明,売得巧蔵不得拙。

書き下し

任他極めて見識有るも、假を看得て眞を認め得ず。隨你極めて聰明なるも、巧を賣り得て拙を藏し得ず。

現代語訳

たとえその人がどれほど見識があっても、偽物を見抜くことはできても、本物を見定めることはできません。たとえあなたがどれほど聡明でも、器用さを売り込むことはできても、自分の不器用さを隠しおおせることはできません。

解説

人の知恵の限界を、口語まじりの鋭い言葉で突いた一則です。任他と隨你は、どうあろうとも、たとえ、という意味の俗語です。偽物を見抜くのは比較的易しいが、本物を本物と見定めるのは難しい、という指摘は深いものがあります。また、器用さは売り込めても、欠点はいつかどこかで出てしまうというのも、人の世の真実です。見識や聡明さを誇る人ほど、この二つを忘れがちです。自分の欠点を隠すことに力を使うより、それを認めて補う工夫をするほうが、長い目で見て信頼を得られます。本物を見分ける目を持つには、謙虚さが欠かせないのでしょう。

この章句が説くこと

見識謙虚本物処世修身

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