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酔古堂剣掃 / 集情・訴へ盡す平生雲水の心

初彈如珠後如縷,一聲兩聲落花雨,訴盡平生雲水心,盡是春花秋月語。

新字:初弾如珠後如縷,一声両声落花雨,訴尽平生雲水心,尽是春花秋月語。

書き下し

初め彈ずれば珠の如く後は縷の如し、一聲兩聲落花の雨、訴へ盡す平生雲水の心、盡く是れ春花秋月の語。

現代語訳

弾き始めは玉が転がるような音で、やがて糸のように細く長くなります。一音二音と、花びらが雨のように散っていきます。日ごろの雲や水のように定まらない心を訴え尽くし、それはすべて春の花や秋の月を語る言葉なのです。

解説

琵琶などの弦楽器の演奏を描いた詩です。珠の如しは玉が盤に転がるような粒立った音、縷の如しは糸のように途切れず続く音で、白居易の琵琶行が、大珠小珠玉盤に落つと詠んだ描写を思わせます。雲水の心は、雲や水のように一つ所にとどまらない、さすらう心です。演奏者は言葉を使わずに、これまでの人生の思いを音で語り尽くし、その思いは春花秋月、つまり季節の美しさとともにあった日々の記憶なのだというのです。音楽は言葉にできないものを伝えます。好きな曲を聴くと、その曲を聴いていた頃の自分がよみがえるのも、同じ力なのでしょう。

この章句が説くこと

音楽風雅記憶人生

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