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酔古堂剣掃 / 集情・幽情化して石立つ

幽情化而石立,怨風結而塚青,千古空閨之感,頓令薄幸驚魂。

書き下し

幽情化して石立ち、怨風結びて塚青し、千古空閨の感、頓に薄幸をして魂を驚かしむ。

現代語訳

秘めた思いは形を変えて石となって立ち、恨みの風は吹き寄せて塚を青く染めます。はるか昔から続く、夫を待つ女性の寂しさは、たちまち薄情な者の魂をも震え上がらせます。

解説

帰らぬ夫を待つ女性の深い思いを、二つの伝説で描いた一則です。石立つは、夫の帰りを山の上で待ち続けて石になったという望夫石の伝説です。塚青しは、匈奴に嫁いだ漢の王昭君の墓だけは草がいつも青かったという青塚の話とみられます。空閨は夫のいない寝室、薄幸はここでは薄情な男を指します。待つ人の思いがこれほど強いと知れば、相手を顧みない者も心を改めずにいられないというのです。待たせる側は、待つ側の時間の重さを忘れがちです。連絡一つで救われる人がいることを、心にとめておきたいものです。

この章句が説くこと

夫婦待つ伝説誠実

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