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酔古堂剣掃 / 集醒・其の道は一の恕の字に在り

己情不可縱,當用逆之法制之,其道在一忍字;人情不可拂,當用順之法調之,其道在一恕字。

新字:己情不可縦,当用逆之法制之,其道在一忍字;人情不可払,当用順之法調之,其道在一恕字。

書き下し

己が情は縱にすべからず、當に逆の法を用ひて之を制すべし、其の道は一の忍の字に在り。 人の情は拂るべからず、當に順の法を用ひて之を調ふべし、其の道は一の恕の字に在り。

現代語訳

自分の感情は好き放題にさせてはいけません。逆らう方法で抑えるべきで、その道は「忍」の一字にあります。人の感情には逆らってはいけません。沿う方法で整えるべきで、その道は「恕」の一字にあります。

解説

自分の感情と他人の感情とで、扱い方を正反対にせよと説いた一則です。自分の情には逆らって制し、そのための工夫が忍です。他人の情には逆らわず沿いながら整え、そのための工夫が恕です。払は逆らうことです。恕は『論語』衛霊公篇で孔子が一生守るべき一字として挙げた言葉で、己の欲せざる所を人に施すなかれと説明されます。自分には厳しく、人には思いやりを持つという、儒教の修養の要点を二字にまとめた形です。人間関係がこじれるのは、たいてい自分の感情は甘やかし、人の感情には逆らうからです。その逆を意識するだけで、衝突の多くは避けられるでしょう。

この章句が説くこと

克己思いやり修身

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