酔古堂剣掃 / 集醒・一㸃の貪污も便ち大惡と爲る
萬分廉潔,止是小善,一㸃貪污,便為大惡。
新字:万分廉潔,止是小善,一点貪汚,便為大悪。
書き下し
萬分の廉潔も、止だ是れ小善、一㸃の貪污も、便ち大惡と爲る。
現代語訳
どれほど清廉潔白であっても、それはただの小さな善にすぎません。わずか一点でも汚職をすれば、それはすぐに大きな悪となります。
解説
清廉と汚職の重さが釣り合わないことを述べた、役人への戒めとも読める一則です。万分は極めて多いこと、一点はほんのわずかなことです。清廉潔白は公の立場にある者にとって当たり前の務めなので、どれほど守っても大きな手柄にはなりません。ところが、わずかでも私腹を肥やせば、それまでの信用が一気に崩れ、大悪として記憶されます。信頼は長い年月をかけて積み上げるものですが、失うのは一瞬です。今日の企業の不祥事でも、たった一件の不正が長年の実績を台無しにする例は少なくありません。小さなごまかしを、このくらいならと許さない心の構えが何より大切だと教えています。
この章句が説くこと
清廉治政信用戒め節操
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