孫子 / 軍争篇
是故軍無輜重則亡,無糧食則亡,無委積則亡。故不知諸侯之謀者,不能豫交;不知山林、險阻、沮澤之形者,不能行軍;不用鄉導者,不能得地利。
新字:是故軍無輜重則亡,無糧食則亡,無委積則亡。故不知諸侯之謀者,不能予交;不知山林、険阻、沮沢之形者,不能行軍;不用郷導者,不能得地利。
書き下し
是の故に軍に輜重無ければ則ち亡び、糧食無ければ則ち亡び、委積無ければ則ち亡ぶ。故に諸侯の謀を知らざる者は、予め交わること能わず。山林・険阻・沮沢の形を知らざる者は、軍を行ること能わず。郷導を用いざる者は、地の利を得ること能わず。
現代語訳
軍は輸送手段を失えば滅び、食糧を失えば滅び、備蓄を失えば滅ぶ。諸侯の思惑を知らない者は、あらかじめ同盟を結べない。山林や険しい地形、沼沢の様子を知らない者は、軍を進められない。土地の案内人を使わない者は、地の利を得られない。
解説
前半は補給、後半は情報という、戦いを支える二つの土台を並べている。輜重・糧食・委積の三つはいずれも戦闘そのものには使えないが、無ければ滅ぶ。組織における管理部門や資金繰りと同じ位置にある。後半の「郷導を用いざる者は地の利を得ず」は、その土地を知る人を使えという意味で、外部の力を借りる勇気の話でもある。自前で全部やろうとする者は、地の利を得られない。
この章句が説くこと
輜重補給情報郷導外部の力
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