孫子 / 虚実篇
微乎微乎!至于無形;神乎神乎!至于無聲,故能為敵之司命。
新字:微乎微乎!至于無形;神乎神乎!至于無声,故能為敵之司命。
書き下し
微なるかな微なるかな、無形に至る。神なるかな神なるかな、無声に至る。故に能く敵の司命と為る。
現代語訳
微妙のきわみ、ついに形がなくなる。神妙のきわみ、ついに音がなくなる。だからこそ敵の命運を握ることができる。
解説
形がない、音がないとは、相手からこちらの意図が読み取れない状態を指す。孫子は無形を戦術の最高段階に置いた。手の内が読めない相手に対して、人は備えようがない。ただしこれは何も決めていないという意味ではない。こちらには明確な形があり、それが外から見えないという状態である。方針が定まっていないだけの組織は、単に無形ではなく無策であり、司命どころか自分の命運も握れない。読ませないことと決めていないことは、まったく違う。