孫子 / 用間篇
死間者,為誑事於外,令吾間知之,而傳於敵間也;
新字:死間者,為誑事於外,令吾間知之,而伝於敵間也;
書き下し
死間とは、誑事を外に為し、吾が間をして之を知らしめて、敵間に伝うるなり。
現代語訳
死間とは、外に向けて偽りの事を作り、それを味方の間諜に信じ込ませて、敵の間諜に伝えさせることである。
解説
五つの間の第四で、最も過酷な役である。死間と呼ばれるのは、偽情報が露見したときに、伝えた本人が殺されるからだ。しかも本人は偽りだと知らされていない。味方に信じ込ませることで、本人の態度が自然になり、敵が信じる。目的のために味方を欺くという構造で、現代の倫理には収まらない。それでも書かれているのは、情報戦の実態がそうだからだろう。ここから引き出せるのは、情報の伝わり方についての洞察である。本人が信じていない情報は、必ずどこかに不自然さが出る。逆に、伝える人が本気で信じていれば、それは強い説得力を持つ。組織の中で誤った前提が広がるとき、多くの場合、誰も嘘をついていない。伝えた人が信じていたというだけで、事実確認の手続きが抜け落ちる。
この章句が説くこと
死間偽情報デマ信憑欺瞞伝播
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