孫子 / 九地篇
我得則利,彼得亦利者,為爭地;
新字:我得則利,彼得亦利者,為争地;
書き下し
我得れば則ち利あり、彼得るも亦た利ある者を、争地と為す。
現代語訳
自分が取れば有利になり、相手が取っても有利になる場所を、争地という。
解説
第三の地。双方にとって価値のある場所である。定義が対称になっているのが要点だ。自分にとって良いだけでは争地ではない。相手にとっても良いから争いになる。この見分けは事業で決定的に重要になる。自社にとって魅力的な市場が、必ずしも激戦区とは限らない。相手にとっても魅力的かどうかが、競争の激しさを決める。自社の都合だけで市場を評価すると、なぜここまで競合が来るのかが分からなくなる。逆に、自社に多少の利しかなくても相手が絶対に欲しがる場所なら、そこを押さえることに戦略的な意味が出る。孫子は争地では攻めるなと言う。相手も本気で取りに来る場所での正面衝突は高くつくからだ。価値の高さと、取りに行くべきかどうかは別の判断である。
この章句が説くこと
争地対称性競合利市場評価衝突