呂氏春秋 / 長利④
愚庳之民,其為賢者慮,亦猶此也。固妄誹訾,豈不悲哉?」
書き下し
愚庳の民、其の賢者の慮を為すも、亦た猶ほ此のごときなり。固より妄りに誹訾す。豈に悲しからずや。」
現代語訳
愚かで賤しい民が、賢者の考えを推し量ろうとするのも、またこれと同じである。もとよりみだりにそしり非難する。なんと悲しいことではないか。
解説
前段の南宮括の言葉を締めくくる短い段です。要点は、愚かで見識の狭い者が賢者の深い配慮を測れず、かえってみだりに非難してしまうという嘆きにあります。背景に、辛寛が周公の深謀を理解せず地の利だけで論じたことへの批判が置かれています。理解が及ばぬ者ほど軽々に賢者を貶めるという指摘は、燕雀が鴻鵠を測れないという前段の比喩を受けたものです。見識の差が評価の誤りを生むという洞察は、優れた判断ほど誤解されやすい現代の状況にも通じます。
この章句が説くこと
愚庳の民賢者誹訾見識南宮括
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