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尚書 / 說命中

慮善以動,動惟厥時。

書き下し

善を慮りて以て動き、動くこと惟れ厥の時をもってす。

現代語訳

善いことかどうかをよく考えてから動き、動くときはその時機にかなうようにする。

解説

傅説が武丁に説いた言葉の一節で、行動の前にそれが善であるかを熟慮し、動くときは時機を選べと説く。前後には「惟れ事事、乃ち其れ備へ有り、備へ有れば患無し」などの句が続き、準備と熟慮を重んじる傅説の政治観がよく表れている。わずか十字だが、善悪の判断と時機の判断という、行動に必要な二つの問いを簡潔にまとめている。正しいことでも時を誤れば害となるという考えは、後の儒家が「時中」として重んじた思想とも響き合う。今の仕事でも、正しい施策を出す時機を誤って潰してしまう例は多く、中身と時機の両方を問う習慣を促す句である。本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。

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