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商君書 / 定分

公孫鞅曰:為法令置官置吏樸足以知法令之謂、以為天下正者、則奏天子、天子名、則主法令之民、皆降受命發官。各主法令之民、敢忘行主法令之所謂之名、各以其所忘之法令名、罪之。主法令之吏有遷徙物故、輒使學者讀法令所謂、為之程式、使數日而知法令之所謂、不中程、為法令以罪之。有敢剟定法令、損益一字以上、罪死不赦。

新字:公孫鞅曰:為法令置官置吏樸足以知法令之謂、以為天下正者、則奏天子、天子名、則主法令之民、皆降受命発官。各主法令之民、敢忘行主法令之所謂之名、各以其所忘之法令名、罪之。主法令之吏有遷徙物故、輒使学者読法令所謂、為之程式、使数日而知法令之所謂、不中程、為法令以罪之。有敢剟定法令、損益一字以上、罪死不赦。

書き下し

公孫鞅曰く、法令の為に官を置き吏を置くに、樸にして以て法令の謂う所を知るに足る者、以て天下の正と為さば、則ち天子に奏す。天子名づくれば、則ち法令を主る所の民、皆な降りて命を受け官を發す。各々法令を主る所の民、敢えて主る所の法令の謂う所の名を行い忘るれば、各々その忘るる所の法令の名を以て、これを罪す。法令を主る所の吏に遷徙物故有らば、輒ち學ぶ者をして法令の謂う所を讀ましめ、これが程式を為り、數日にして法令の謂う所を知らしむ。程に中らざれば、法令を為してこれを罪す。敢えて法令を剟定し、一字以上を損益する有らば、罪は死にして赦さず。

現代語訳

公孫鞅は言った。法令のために官を置き吏を置くにあたって、素直で法令の意味を知るに足る者を天下の基準役とするなら、天子に上奏する。天子が任命すれば、法令を担当する者たちはみな下って命を受け、役所を開く。それぞれ法令を担当する者が、担当する法令の意味するところを忘れて行えば、その忘れた法令の名によってこれを罰する。法令を担当する役人に異動や死亡があれば、ただちに学ぶ者に法令の意味を読ませ、そのための課程を作り、数日で法令の意味を知らせる。課程の基準に達しなければ、法令によってこれを罰する。あえて法令を書き換え、一字でも増減する者があれば、罪は死罪で赦さない。

解説

法令の解釈を担当する専門官を置き、任命は天子が行い、異動や死亡があれば数日で後任を教育する課程まで定めている。そして法令の一字を書き換えれば死罪。制度の中身ではなく、制度を維持する体制のほうを設計している点が驚くべきところだ。会社でいえば、規程そのものより、規程の解釈を誰が担い、その人が辞めたら何日で引き継ぐかを決めておく話である。文書は残っても、その意味を知る人が抜けた瞬間に制度は形骸化する。ここまで書いてある規程集は、現代でも珍しい。

この章句が説くこと

法令の為に官を置き吏を置く一字以上を損益すれば罪死解釈の担い手引き継ぎの課程標準化

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