商君書 / 境内
其獄法:高爵訾下爵級。高爵能、無給有爵人隸僕。爵自二級以上、有刑罪則貶。爵自一級以下、有刑罪則已。小夫死、以上至大夫、其官級一等、其墓樹級一樹。
書き下し
その獄法は、高爵は下爵の級を訾る。高爵の能あるも、爵有る人の隸僕を給する無し。爵、二級より以上は、刑罪有らば則ち貶す。爵、一級より以下は、刑罪有らば則ち已む。小夫死すれば、以上大夫に至るまで、その官級一等、その墓樹は級ごとに一樹。
現代語訳
その裁判の法では、高い爵位の者が低い爵位の者の等級を評定する。高い爵位の者に才能があっても、爵位のある人を下僕として与えられることはない。爵位が二級以上の者は、刑罪があれば降格される。爵位が一級以下の者は、刑罪があればそこで終わる。小夫が死んだときは、大夫に至るまで、その官の等級は一等とし、墓に植える木は爵位一級につき一本とする。
解説
墓に植える木の本数まで、爵位の級に応じて定められている。生前の等級が死後の墓の姿にまで及ぶ。これは残酷な話ではなく、褒賞の設計として実に周到である。金品は使えばなくなるが、墓の木は残り、遺族と近隣が見続ける。名誉を目に見える形にし、しかも本人の死後まで持続させる。人が命をかける動機として、これほど強いものはない。報酬を設計するとき、消えるものと残るものを区別しているか。表彰の盾一枚が給与よりも効くことがある理由も、ここにある。
この章句が説くこと
墓樹は級ごとに一樹高爵は下爵の級を訾る消える報酬と残る報酬名誉の可視化
関連する章句
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『商君書』境内爵五大夫にして稅邑六百家有る者は、客を受く。大將・御・參は、皆な爵三級を賜わる。故客卿の相論じて盈つれば、就きて正卿たり。戰いを以ての故に、首を暴すこと三たびし、乃ち校すること三日。將軍は疑わざるを以て士大夫の勞爵を致す。夫れ勞爵は、その縣、三日を過ぎて、士大夫の勞爵を致さざる有れば、能あり。[その縣の四尉、]訾は丞尉に由る。能く甲首一を得る者は、爵一級を賞し、田一頃を益し、宅九畝を益す。級ごとに庶子一人を除く。乃ち兵官の吏に入るを得。
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『商君書』境内陷隊の士は、面ごとに十八人。陷隊の士、疾く鬥うを知り、隊ごとに斬首五を得れば、則ち陷隊の士は、人ごとに爵一級を賜わる。死すれば、則ち一人これを後にす。これに死する能わざれば、千人環り睹て、城下に黥劓す。國尉は地を分かち、中卒を以てこれに隨う。將軍は木臺を為り、國正監と、王御史と、參してこれを望む。その先んじて入る者は、舉げて最啟と為し、その後れて入る者は、舉げて最殿と為す。その隊に陷るや、その幾を盡くす。幾者足らざれば、乃ち次級を以てこれを益す。
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『商君書』靳令國、功を以て官を授け爵を予うれば、則ち治は省にして言は寡なし。これを法を以て法を去り、言を以て言を去ると謂う。國、六蝨を以て官を授け爵を予うれば、則ち治は煩わしく言は生ず。これを法を以て法を致し、言を以て言を致すと謂う。則ち君は說言に務め、官は治邪に亂る。邪臣は志を得る有り、功有る者は日に退く。これを守を失うと謂う。十を守る者は亂れ、壹を守る者は治まる。法已に定まりて、六蝨を用うるを好む者は亡ぶ。民、畢く農せば、則ち國は富む。六蝨用いられざれば、則ち兵民は畢く競い勸みて主の用と為るを樂しむ。その境內の民、爭いて以て榮と為し、以て辱と為す莫し。その次は賞に勸められ罰に沮まる。その下は、民これを惡み、これを憂え、これを羞ず。容を修めて以て言い、貧を恥じて以て外交し、以て農戰を避け、外交して以て備う。國の危うきなり。饑寒死亡有るも、利祿の故の為に戰わざる、これ亡國の俗なり。