商君書 / 画策
所謂彊者、使勇力不得不為己用。其志足、天下益之、不足、天下說之。恃天下者、天下去之、自恃者、得天下。得天下者、先自得者也、能勝彊敵者、先自勝者也。
新字:所謂彊者、使勇力不得不為己用。其志足、天下益之、不足、天下説之。恃天下者、天下去之、自恃者、得天下。得天下者、先自得者也、能勝彊敵者、先自勝者也。
書き下し
所謂る彊なる者は、勇力をして己が用と為さざるを得ざらしむるなり。その志足らば、天下これを益し、足らざれば、天下これを說ぶ。天下を恃む者は、天下これを去り、自ら恃む者は、天下を得。天下を得る者は、先ず自ら得る者なり。能く彊敵に勝つ者は、先ず自ら勝つ者なり。
現代語訳
いわゆる強とは、勇気と力のある者たちに、自分の用に立たざるをえないようにさせることである。その志が満ちていれば天下がそれを増し、満たなければ天下がそれを喜ぶ。天下を頼みにする者は天下から去られ、自分を頼みにする者は天下を得る。天下を得る者は、まず自分を得た者である。強敵に勝てる者は、まず自分に勝った者である。
解説
「天下を得る者は、先ず自ら得る者なり。能く彊敵に勝つ者は、先ず自ら勝つ者なり」——法家の書のなかに、儒家や道家が語りそうな一句が置かれている。ただし文脈は違う。ここでいう自ら勝つとは、修養のことではなく、外部を当てにせずに自力で立つことである。「天下を恃む者は、天下これを去る」。他人の助けや情勢の追い風を前提にした計画は、その前提が外れた瞬間に崩れる。自力で成立する形にしてはじめて、外の力も味方につく。事業計画を点検するとき、この基準は使える。
この章句が説くこと
天下を得る者は先ず自ら得る者なり天下を恃む者は天下これを去る自力で立つ彊敵に勝つ実力信頼
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