商君書 / 徠民
今秦之地、方千里者五、而穀土不能處什二、田數不滿百萬、其藪澤谿谷名山大川之材物貨寶、又不盡為用、此人不稱土也。
新字:今秦之地、方千里者五、而穀土不能処什二、田数不満百万、其藪沢谿谷名山大川之材物貨宝、又不尽為用、此人不称土也。
書き下し
今、秦の地は、方千里なる者五にして、穀土は什二に處ること能わず、田數は百萬に滿たず。その藪澤谿谷名山大川の材物貨寶、又た盡くは用を為さず。これ人、土に稱わざるなり。
現代語訳
いま秦の土地は、千里四方のものが五つあるが、穀物のとれる土地は十分の二にも満たず、田の数は百万に届かない。その藪沢や谷、名山大川の資材や産物や宝も、すべては使われていない。これは人が土地に見合っていないということである。
解説
「人、土に稱わず」——資源に対して人が足りない。徠民篇の出発点である診断だ。秦の土地は広大なのに、耕地は二割に満たず、山や川の資源も手つかずのまま。ここで商君書は、開墾をもっと頑張れとは言わない。人が足りないと診断し、人を連れてくる話へ進む。同じ「使いきれていない」という現象でも、努力不足と見るか人数不足と見るかで打つ手はまったく変わる。診断を飛ばして努力を要求する経営者は多い。
この章句が説くこと
人土に称わず穀土は什二に満たず診断が先努力不足か人数不足か
関連する章句
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『商君書』徠民秦の鄰と與にする所の者は、三晉なり。兵を用いんと欲する所の者は、韓魏なり。彼は土狹くして民眾く、その宅は參居して并處し、その賓萌は賈息す。民は上に通名無く、下に田宅無くして、姦に恃み末作を務めて以て處る。人の陰陽澤水に復する者、半ばを過ぐ。これその土のその民を生かすに足らざるなり、秦の民のその土を實たすに足らざるに過ぐる有るに似たり。意うに民の情、その欲する所の者は、田宅なり。而して晉のこれ有る無きは信なり、秦の餘り有るは必なり。此くの如くして民の西せざるは、秦の士は戚みて民は苦しめばなり。
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『商君書』徠民地の方百里なる者は、山陵は什一に處り、藪澤は什一に處り、谿谷流水は什一に處り、都市蹊道は什一に處り、惡田は什二に處り、良田は什四に處る。これを以て作夫五萬を食わしむ。その山陵藪澤谿谷は以てその材を給すべく、都邑蹊道は以てその民を處らしむるに足る。先王の土を制し民を分かつの律なり。
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『商君書』算地凡そ世主の患いは、兵を用うる者は力を量らず、草萊を治むる者は地を度らざるにあり。故に地狹くして民眾き者有り、民はその地に勝つ。地廣くして民少なき者は、地はその民に勝つ。民その地に勝つ者は、務めて開き、地その民に勝つ者は、徠すを事とす。開けば則ち行いは倍す。民、地に過ぐれば、則ち國の功は寡なくして兵力は少なく、地、民に過ぐれば、則ち山澤の財物は用を為さず。夫れ天物を棄て、民の淫を遂ぐるは、世主の務めの過ちなり、而して上下これを事とす。故に民眾くして兵は弱く、地大にして力は小なり。
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『商君書』徠民夫れ秦の患うる所の者は、兵を興して伐てば、則ち國家は貧しく、安居して農せば、則ち敵は休息を得。これ王の兩つながら成すこと能わざる所なり。故に四世戰い勝ちて、天下は服せず。今、故秦を以て敵を事とし、而して新民をして本を作さしめば、兵は百たび外に宿すと雖も、境內は須臾の時をも失わず。これ富強兩つながら成るの效なり。
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『商君書』徠民曩者、臣言いて曰く、「意うに民の情、その欲する所の者は田宅なり。晉のこれ有る無きは信なり、秦の餘り有るは必なり。此くの若くして民の西せざるは、秦の士は戚みて民は苦しめばなり」と。今、その田宅を利し、これを復すること三世。これ必ずその欲する所を與えて、その惡む所を行わしめざるなり。然らば則ち山東の民、西せざる者無からん。且つ直だ言うの謂いなり。然らずんば、夫れ曠虛を實たし、天寶を出だし、而して百萬、本を事とせば、その益する所は多し。豈に徒だその攻むる所以を失わざるのみならんや。
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『商君書』算地今、世主に地の方數千里なる有るも、食は以て役を待ち倉を實たすに足らずして、兵は鄰敵の臣と為る。故に世主の為にこれを患う。夫れ地大にして墾かざるは、地無き者と同じく、民眾くして用いざるは、民無き者と同じ。