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商君書 / 修権

夫廢法度而好私議、則姦臣鬻權以約祿、秩官之吏隱下而漁民。諺曰:「蠹眾而木折、隙大而牆壞。」故大臣爭於私而不顧其民、則下離上、下離上者、國之隙也。秩官之吏隱下以漁百姓、此民之蠹也。故國有隙蠹而不亡者、天下鮮矣。是故明主任法去私、而國無隙蠹矣。

新字:夫廃法度而好私議、則姦臣鬻権以約禄、秩官之吏隠下而漁民。諺曰:「蠹眾而木折、隙大而牆壊。」故大臣争於私而不顧其民、則下離上、下離上者、国之隙也。秩官之吏隠下以漁百姓、此民之蠹也。故国有隙蠹而不亡者、天下鮮矣。是故明主任法去私、而国無隙蠹矣。

書き下し

夫れ法度を廢して私議を好めば、則ち姦臣は權を鬻ぎて以て祿を約し、秩官の吏は下を隱して民を漁る。諺に曰く、「蠹衆くして木は折れ、隙大にして牆は壞る」と。故に大臣、私に爭いてその民を顧みざれば、則ち下は上を離る。下、上を離るるは、國の隙なり。秩官の吏、下を隱して以て百姓を漁るは、これ民の蠹なり。故に國に隙蠹有りて亡びざる者は、天下に鮮なし。是の故に明主は法に任じ私を去る。而して國に隙蠹無し。

現代語訳

法度を廃して私的な議論を好めば、よこしまな臣下は権限を売って俸禄を取り決め、位のある役人は下の実情を隠して民から搾り取る。ことわざにいう、「木食い虫が多ければ木は折れ、隙間が大きければ壁は壊れる」と。だから大臣が私事で争って民を顧みなければ、下は上から離れる。下が上から離れるのは、国の隙間である。位のある役人が下の実情を隠して民から搾り取るのは、民にとっての木食い虫である。だから国に隙間と虫があって滅びなかった例は、天下に少ない。だから明主は法に任せて私を取り除く。そうすれば国に隙間も虫もない。

解説

「蠹衆くして木は折れ、隙大にして牆は壞る」——虫が増えれば木は折れ、隙間が広がれば壁は崩れる。この諺で、組織が壊れる二つの型を示している。虫とは、実情を隠して内側から食う者。隙間とは、上と下の心が離れることである。どちらも外から見えず、崩れる瞬間まで表面は無事に見える。定期的に壁を叩いて音を聞くように、上と下の距離と、隠されている実情を確かめておく必要がある。修権篇はこの一行で締めくくられる。

この章句が説くこと

蠹衆くして木折れ隙大にして牆壊る下上を離る国の隙内から食う派閥

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