商君書 / 立本
凡用兵、勝有三等:若兵未起而錯法、錯法而俗成、俗成而用具。此三者必行於境內、而後兵可出也。行三者有二勢:一曰輔法而法行、二曰舉必得而法立。故恃其眾者謂之葺、恃其備飾者謂之巧、恃譽目者謂之軸。此三者恃一、因其兵可禽也。
新字:凡用兵、勝有三等:若兵未起而錯法、錯法而俗成、俗成而用具。此三者必行於境内、而後兵可出也。行三者有二勢:一曰輔法而法行、二曰舉必得而法立。故恃其衆者謂之葺、恃其備飾者謂之巧、恃誉目者謂之軸。此三者恃一、因其兵可禽也。
書き下し
凡そ兵を用うるに、勝つに三等有り。若し兵未だ起こらずして法を錯き、法を錯きて俗成り、俗成りて用具わる。この三者は必ず境內に行われて、而る後に兵は出だすべきなり。三者を行うに二勢有り。一に曰く、法を輔けて法行わる。二に曰く、舉ぐれば必ず得て法立つ。故にその眾を恃む者はこれを葺と謂い、その備飾を恃む者はこれを巧と謂い、譽目を恃む者はこれを軸と謂う。この三者、一を恃まば、因りてその兵は禽らるべきなり。
現代語訳
およそ兵を用いるにあたって、勝ちには三つの段階がある。まだ兵を起こさないうちに法を定め、法を定めて習俗ができ、習俗ができて備えが整う。この三つが必ず国内で行われて、はじめて兵を出すことができる。この三つを行うには二つの勢いがある。一つは、法を補助して法が実際に行われること。二つは、事を挙げれば必ず成果が得られて法が立つこと。だから、兵の数を頼みにする者は繕いといい、装備の見栄えを頼みにする者は小細工といい、評判を頼みにする者はごまかしという。この三つのうち一つでも頼みにすれば、その軍は捕らえられてしまう。
解説
勝ちには段階がある——まず法を定め、次にそれが習俗になり、そこではじめて備えが整う。この順に国内で成立していなければ、兵は出せない。準備の質を、決めごと・習慣・装備の三層で捉えているのが鋭い。そして数・見栄え・評判に頼ることを、それぞれ「繕い」「小細工」「ごまかし」と呼び捨てる。人数がいる、設備が立派、評判がいい——どれも、決めごとが習慣になっていないことの埋め合わせにはならない。新しい事業を始める前に、この三層のどこまで来ているかを確かめよ、という篇である。
この章句が説くこと
立本勝ちに三等有り法を錯き俗成り用具わる葺・巧・軸準備
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