商君書 / 壹言
凡將立國、制度不可不時也、治法不可不慎也、國務不可不謹也、事本不可不摶也。制度時、則國俗可化、而民從制。治法明、則官無邪。國務壹、則民應用。事本摶、則民喜農而樂戰。
新字:凡将立国、制度不可不時也、治法不可不慎也、国務不可不謹也、事本不可不摶也。制度時、則国俗可化、而民従制。治法明、則官無邪。国務壱、則民応用。事本摶、則民喜農而楽戦。
書き下し
凡そ將に國を立てんとするに、制度は時ならざるべからざるなり、治法は慎まざるべからざるなり、國務は謹まざるべからざるなり、事本は摶めざるべからざるなり。制度時なれば、則ち國俗は化すべくして、民は制に從う。治法明らかなれば、則ち官に邪無し。國務壹なれば、則ち民は用に應ず。事本摶まれば、則ち民は農を喜びて戰を樂しむ。
現代語訳
およそ国を立てようとするとき、制度は時代に合っていなければならず、統治の法は慎重でなければならず、国の務めは謹んで定めなければならず、事の根本は一つに束ねなければならない。制度が時代に合っていれば、国の習俗は変えることができ、民は制度に従う。統治の法が明らかであれば、役所に不正はない。国の務めが一つであれば、民は用に応じる。事の根本が束ねられていれば、民は農業を喜び戦いを楽しむ。
解説
壹言篇は「一つに束ねる」ことを主題とする。冒頭に挙がる四つの条件が要点で、制度は時代に合っているか、法は慎重に作られているか、務めは一つか、根本は束ねられているか。順番も意味がある。まず時代に合わせ、次に慎重に作り、そのうえで一つに絞る。時代に合っていない制度をいくら丁寧に運用しても、民は従わない。会社の仕組みを見直すとき、この四つを順に問うだけで、どこが壊れているかはたいてい見つかる。
この章句が説くこと
壱言制度は時ならざるべからず国務壱なれば民は用に応ず四つの条件
関連する章句
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『商君書』壹言夫れ聖人の國を治むるや、能く力を摶め、能く力を殺す。制度察らかなれば則ち民力は摶まる。摶まりて化せざれば則ち行われず、行われて富無ければ則ち亂を生ず。故に國を治むる者、その力を摶むるや、以て國を富まし兵を彊くするなり、その力を殺すや、以て敵を事とし農を勸むるなり。
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『商君書』壹言夫れ開きて塞がざれば則ち短長し、長じて攻めざれば則ち姦有り。塞ぎて開かざれば則ち民は渾し、渾して用いざれば則ち力多し、力多くして攻めざれば則ち蝨有り。故に力を摶むるは以て務めを壹にするなり、力を殺すは以て敵を攻むるなり。國を治むるに民の壹なるを貴ぶ。民壹なれば則ち樸、樸なれば則ち農す、農すれば則ち勤め易く、勤むれば則ち富む。富める者はこれを廢するに爵を以てすれば、淫せず、淫する者はこれを廢するに刑を以てすれば農を務む。故に能く力を摶めて用うること能わざる者は、必ず亂れ、能く力を殺して摶むること能わざる者は、必ず亡ぶ。故に明君はこの二者を齊うるを知れば、その國は彊く、この二者を齊うるを知らざれば、その國は削らる。
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『商君書』壹言今、世主は皆な民を治めんと欲して、これを助くるに亂を以てす。亂を為すを樂しむに非ざるなり、その故に安んじて時を闚わざればなり。これ上は古に法りてその塞がるを得、下は今に修いて時に移らず、而して世俗の變に明らかならず、民を治むるの情を察せず。故に賞を多くして以て刑を致し、刑を輕くして以て賞を去る。夫れ上、刑を設けて民服せず、賞匱しくして姦は益々多し。故に上の民に於けるや、刑を先にして賞を後にす。故に聖人の國を為むるや、古に法らず、今に修わず、世に因りてこれが治を為し、俗を度りてこれが法を為す。故に法、民の情を察せずしてこれを立つれば、則ち成らず、治、時に宜しくしてこれを行えば、則ち干せず。故に聖王の治むるや、慎みて察務を為し、心を壹に歸するのみ。
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『商君書』壹言夫れ聖人の法を立て俗を化して、民をして朝夕農に從事せしむるや、知らざるべからざるなり。夫れ民の事に從いて制に死するは、上の榮名を設け、賞罰の明らかなるを置くを以てなり。辯說私門を用いずして功立つ、故に民の農を喜びて戰を樂しむなり。上の農戰の士を尊びて、辯說技藝の民を下し、游學の人を賤しむを見る、故に民は務めを壹にし、その家は必ず富みて、身は國に顯る。上、公利を開きて私門を塞ぎ、以て民力を致す。私勞は國に顯れず、私門は君に請わず。此くの若くして功名勸めば、則ち上の令は行われて荒草は闢かれ、淫民は止みて姦は萌す無し。國を治むるに能く民力を摶めて民務を壹にする者は彊く、能く本を事として末を禁ずる者は富む。
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『商君書』農戦善く國を為むる者は、官法明らかなり、故に知慮に任ぜず。上壹を作す、故に民は偷淫せず、則ち國力は搏まる。國力搏まる者は彊く、國言談を好む者は削らる。故に曰く、農戰の民千人にして、詩書辯慧なる者一人焉に有らば、千人の者は皆な農戰に怠らん。農戰の民百人にして、技藝なる者一人焉に有らば、百人の者は皆な農戰に怠らん。國は農戰を待ちて安く、主は農戰を待ちて尊し。夫れ民の農戰せざるは、上、言を好みて官の常を失えばなり。官を常にすれば則ち國は治まり、務めを壹にすれば則ち國は富む。國富みて治まるは、王の道なり。故に曰く、王道の作るは、身を外にして壹を作すのみ、と。
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『商君書』農戦善く國を為むる者は、倉廩滿つと雖も、農に偷まず、國大にして民眾しと雖も、言に淫せず、則ち民は樸一なり。民樸一なれば、則ち官爵は巧みにして取るべからざるなり。巧みに取るべからざれば、則ち姦は生ぜず。姦生ぜざれば則ち主は惑わず。