商君書 / 算地
夫治國者能盡地力而致民死者、名與利交至。民之生、饑而求食、勞而求佚、苦則索樂、辱則求榮、此民之情也。
新字:夫治国者能尽地力而致民死者、名与利交至。民之生、饑而求食、労而求佚、苦則索楽、辱則求栄、此民之情也。
書き下し
夫れ國を治むる者、能く地力を盡くして民をして死を致さしむれば、名と利と交々至る。民の生くるや、饑うれば食を求め、勞すれば佚を求め、苦しめば則ち樂を索め、辱めらるれば則ち榮を求む。これ民の情なり。
現代語訳
国を治める者が、土地の力を出しきらせ、民に命がけで働かせることができれば、名声と利益がともにやってくる。人が生きていくうえで、飢えれば食を求め、疲れれば休息を求め、苦しければ楽しみを探し、辱められれば誉れを求める。これが人の情というものである。
解説
あれほど人を統制の対象として扱う商君書が、その設計の土台に置いているのは、ごく素直な人間観察である。飢えれば食べたい、疲れれば休みたい、苦しければ楽しみたい、辱められれば名誉が欲しい。人はこう動くという前提から出発し、そのうえで経路を設計する。人はこうあるべきだ、から始めないところが法家の強みでもある。制度を作るとき、理想の人間像を前提にするか、実際の人間の反応を前提にするか。前者で作られた制度は、たいてい運用の段階で壊れる。
この章句が説くこと
民の情飢えて食を求む辱めらるれば栄を求む人間観察から設計する秩序
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