商君書 / 去彊
彊國知十三數:境內倉口之數、壯男壯女之數、老弱之數、官士之數、以言說取食者之數、利民之數、馬牛芻藁之數。欲彊國、不知國十三數、地雖利、民雖眾、國愈弱至削。國無怨民曰彊國。興兵而伐、則武爵武任、必勝、按兵而農、粟爵粟任、則國富。兵起而勝敵、按兵而國富者、王。
新字:彊国知十三数:境内倉口之数、壮男壮女之数、老弱之数、官士之数、以言説取食者之数、利民之数、馬牛芻藁之数。欲彊国、不知国十三数、地雖利、民雖眾、国愈弱至削。国無怨民曰彊国。興兵而伐、則武爵武任、必勝、按兵而農、粟爵粟任、則国富。兵起而勝敵、按兵而国富者、王。
書き下し
彊國は十三の數を知る。境內の倉口の數、壯男壯女の數、老弱の數、官士の數、言說を以て食を取る者の數、利民の數、馬牛芻藁の數なり。國を彊くせんと欲して、國の十三數を知らざれば、地利ありと雖も、民眾しと雖も、國は愈々弱くして削らるるに至る。國に怨民無きを彊國と曰う。兵を興して伐たば、則ち武爵武任にして必ず勝ち、兵を按じて農せば、粟爵粟任にして則ち國は富む。兵起こして敵に勝ち、兵を按じて國富む者は、王たり。
現代語訳
強い国は十三の数を把握している。国内の倉と人口の数、壮年の男女の数、老人と幼弱の数、官吏と士の数、弁舌によって食べている者の数、産業に従事する民の数、馬牛と飼い葉の数である。国を強くしようと思いながら、この十三の数を知らなければ、土地の利があっても、民が多くても、国はますます弱くなって削られるに至る。国に恨みを抱く民がいないことを強国という。兵を挙げて討つときは、武功によって爵位と任用を与えれば必ず勝つ。兵を収めて農業をするときは、穀物の実績によって爵位と任用を与えれば国は富む。兵を挙げれば敵に勝ち、兵を収めれば国が富む国は、王者となる。
解説
経営の数字を挙げた一段で、商君書の中でも実務家に最も評判がよい。人口、年齢構成、官吏の数、家畜と飼料——そして「言説によって食べている者の数」が独立した項目として立っている。生産していないのに扶養されている人数を、国は必ず数えておけ、と。これを数えていない組織は、土地があっても人が多くても弱くなる、というのが結論だ。もう一つ見逃せないのが「国に怨民無きを彊国と曰う」。あれほど統制を説いた書が、強さの定義を最後に「恨みを持つ者がいないこと」に置いている。恨みは、数字に出る前から国力を削っている。
この章句が説くこと
十三数言説を以て食を取る者の数国に怨民無きを彊国と曰う数えていない指標
関連する章句
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『商君書』去彊十里にして斷ずる者は國弱く、五里にして斷ずる者は國彊し。日を以て治むる者は王たり、夜を以て治むる者は彊し、宿を以て治むる者は削らる。民の眾口の數を舉げ、生ずる者は著し、死する者は削る。民、粟を逃れず、野に荒草無ければ、則ち國は富む。國富む者は彊し。
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『商君書』去彊彊を以て弱を去る者は弱く、弱を以て彊を去る者は彊し。國善を為せば、姦必ず多し。國富みて貧なるは、治まりて重富と曰う、重富なる者は彊し。國貧しくして富むは、治まりて重貧と曰う、重貧なる者は弱し。兵、敵の敢えて行わざる所を行えば彊く、事、敵の為すを羞ずる所を興せば利あり。主は多變を貴び、國は少變を貴ぶ。國、物少なければ削られ、國、物多ければ彊し。千乘の國にして、千物を守る者は削らる。戰事に兵用いらるるを彊と曰う。戰亂れ兵息みて國は削らる。
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『商君書』去彊國、壹を作すこと一歲なれば、十歲にして彊く、壹を作すこと十歲なれば、百歲にして彊く、壹を作すこと百歲なれば、千歲にして彊し。千歲彊き者は王たり。威は一を以て十を取り、聲を以て實を取る。故に能く威を為す者は王たり。生かすこと能くして殺すこと能わざるを「自ら攻むるの國」と曰い、必ず削らる。生かすこと能く殺すこと能きを「敵を攻むるの國」と曰い、必ず強し。故に官を攻め、力を攻め、敵を攻む。國その二を用いてその一を舍つれば必ず強く、三者を用いしむれば、威ありて必ず王たり。
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『商君書』靳令是の故に興る國は十二者を用いず。故にその國に力多くして、天下これを能く犯す莫きなり。兵出づれば必ず取り、取れば必ず能くこれを有つ。兵を按じて攻めざれば、必ず富む。朝廷の吏、少なき者も毀たざるなり、多き者も損せざるなり。功を效して官爵を取る。辯言有りと雖も、以て相い干すを得ざるなり。これを數を以て治むと謂う。力を以て攻むる者は、一を出だして十を取り、言を以て攻むる者は、十を出だして百を亡う。國、力を好む、これを「難きを以て攻む」と謂い、國、言を好む、これを「易きを以て攻む」と謂う。
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『商君書』去彊國、善民を以て姦民を治むる者は、必ず亂れて削らるるに至る。國、姦民を以て善民を治むる者は、必ず治まりて彊きに至る。國、詩書禮樂孝弟善修を用いて治むれば、敵至れば必ず國を削られ、至らざれば必ず國を貧しくす。八者を用いて治めざれば、敵は敢えて至らず、至ると雖も必ず卻く。兵を興して伐たば必ず取り、取らば必ず能くこれを有つ。兵を按じて攻めざれば必ず富む。國力を好むを「難きを以て攻む」と曰い、國言を好むを「易きを以て攻む」と曰う。國、難きを以て攻むる者は、一を起こして十を得、易きを以て攻むる者は、十を出して百を亡う。
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『商君書』去彊法を以て法を去る者は強く、法を以て法を致す者は削らる。常官の法去らば則ち治まる。大國を治むるは小、小國を治むるは大。これを強くすれば重ねて削られ、これを弱くすれば重ねて強し。夫れ彊を以て弱を攻むる者は亡び、弱を以て彊を攻むる者は王たり。國彊くして戰わざれば、毒は內に輸せられ、禮樂蝨官生じて、必ず削らる。國遂に戰わば、毒は敵國に輸せられ、禮樂蝨官無くして、必ず彊し。勞を舉げ功に任ずるを彊と曰う、蝨官生ずれば必ず削らる。農少なく商多ければ、貴人は貧しく、商も貧しく、農も貧しく、三官貧しくして必ず削らる。