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商君書 / 去彊

金生而粟死、粟生而金死。本物賤、事者眾、買者少、農困而姦勸、其兵弱、國必削至亡。金一兩生於境內、粟十二石死於境外。粟十二石生於境內、金一兩死於境外。國好生金於境內、則金粟兩死、倉府兩虛、國弱。國好生粟於境內、則金粟兩生、倉府兩實、國彊。

新字:金生而粟死、粟生而金死。本物賤、事者眾、買者少、農困而姦勧、其兵弱、国必削至亡。金一両生於境内、粟十二石死於境外。粟十二石生於境内、金一両死於境外。国好生金於境内、則金粟両死、倉府両虚、国弱。国好生粟於境内、則金粟両生、倉府両実、国彊。

書き下し

金生ずれば粟死し、粟生ずれば金死す。本物賤しければ、事とする者は眾く、買う者は少なく、農は困しみて姦は勸む。その兵は弱く、國は必ず削られて亡ぶに至る。金一兩、境內に生ずれば、粟十二石、境外に死す。粟十二石、境內に生ずれば、金一兩、境外に死す。國、境內に金を生ずるを好めば、則ち金も粟も兩つながら死し、倉も府も兩つながら虛しく、國は弱し。國、境內に粟を生ずるを好めば、則ち金も粟も兩つながら生き、倉も府も兩つながら實ちて、國は彊し。

現代語訳

金が増えれば穀物は減り、穀物が増えれば金は減る。基本となる産物の値が安ければ、それを作る者は多いのに買う者が少なく、農民は苦しみ悪事がはびこる。その国の兵は弱く、必ず削られて滅びるに至る。金一両が国内に入れば、穀物十二石が国外へ出ていく。穀物十二石が国内に入れば、金一両が国外へ出ていく。国が国内に金を増やすことを好めば、金も穀物も両方とも失われ、倉も蔵も空になり、国は弱い。国が国内に穀物を増やすことを好めば、金も穀物も両方とも増え、倉も蔵も満ちて、国は強い。

解説

貨幣と現物のどちらを国内に蓄えるべきかという議論である。商君書の答えは現物で、理由は金が食えないからだ。金を増やしたければ穀物を売るしかなく、それは国から食糧が出ていくことを意味する。逆に穀物を蓄えれば、必要なときに金は手に入る。手元流動性ではなく、実際に価値を生むもののほうを厚く持て、という主張として読める。事業でいえば、現金の残高よりも、稼ぐ力そのものが残っているかどうか。数字の上での健全さと、実質の強さは別だという指摘は、いまも有効である。

この章句が説くこと

金生ずれば粟死す本物賤し倉府両つながら実つ実質の強さ

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