商君書 / 墾令
重刑而連其罪、則褊急之民不鬥、很剛之民不訟、怠惰之民不游、費資之民不作、巧諛惡心之民無變也。五民者不生於境內、則草必墾矣。
新字:重刑而連其罪、則褊急之民不鬥、很剛之民不訟、怠惰之民不游、費資之民不作、巧諛悪心之民無変也。五民者不生於境内、則草必墾矣。
書き下し
刑を重くしてその罪を連ぬれば、則ち褊急の民は鬥わず、很剛の民は訟えず、怠惰の民は游ばず、費資の民は作さず、巧諛惡心の民は變ずる無きなり。五民なる者境內に生ぜざれば、則ち草必ず墾かれん。
現代語訳
刑罰を重くし、その罪を周囲の者にも連帯して負わせれば、気が短い民は喧嘩をせず、強情な民は訴えを起こさず、怠惰な民は遊び歩かず、浪費する民は事を起こさず、口先だけで心の悪い民は動き回らなくなる。この五種類の民が国の中に生まれなければ、荒地は必ず開墾される。
解説
連坐——本人だけでなく周囲にも罰を及ぼす制度である。商鞅が秦で実際に施行し、後世まで最も強く批判されてきた仕組みがこれだ。理屈は冷徹に合理的で、周囲が見張り役になるため、取り締まりの費用がほぼゼロで済む。だが代償は、隣人どうしが監視し合う社会そのものである。商鞅は最後に国外へ逃れようとして宿に泊まれず(身分証のない者を泊めれば宿の主人が連坐するため)、自分の法に捕らえられた。制度は作った本人にも同じ形で返ってくる、という史上もっとも有名な例である。
この章句が説くこと
連坐刑を重くしてその罪を連ぬ相互監視商鞅の最期
関連する章句
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『商君書』墾令罪人の為に吏に請いてこれに饟食するを得る無くんば、則ち姦民に主無し。姦民に主無ければ、則ち姦を為すも勉めず。姦を為すも勉めざれば、則ち姦民に樸無し。姦民に樸無ければ、則ち農民は敗れず。農民敗れざれば、則ち草必ず墾かれん。
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史記 商君列伝民をして什伍と為らしめて、相ひ牧司し連坐せしむ。姦を告げざる者は腰斬し、姦を告ぐる者は敵首を斬るに同じく賞し、姦を匿す者は敵に降るに同じく罰す。民に二男以上有りて分異せざる者は、其の賦を倍にす。軍功有る者は、各々率を以て上爵を受く。私斗を為す者は、各々軽重を以て刑の大小を被る。力を本業に僇し、耕織して粟帛を致すこと多き者は其の身を復す。末利を事とし及び怠りて貧しき者は、挙げて以て収孥と為す。宗室も軍功の論有るに非ざれば、属籍を為すを得ず。尊卑爵秩の等級を明らかにし、各々差次を以て田宅を名づく。功有る者は顕栄し、功無き者は富むと雖も芬華する所無し。
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『商君書』墾令民をして擅に徙るを得る無からしむれば、則ち誅愚亂農の民は食する所無くして必ず農す。愚心躁欲の民意を壹にすれば、則ち農民は必ず靜かなり。農靜かに、誅愚亂農の民農せんと欲さば、則ち草必ず墾かれん。
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『商君書』墾令逆旅を廢すれば、則ち姦偽躁心私交にして農を疑う民は行かず。逆旅の民は食する所無ければ、則ち必ず農す、農すれば則ち草必ず墾かれん。山澤を壹にすれば、則ち農を惡み慢惰にして欲に倍く民は食する所無し、食する所無ければ則ち必ず農す、農すれば則ち草必ず墾かれん。
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『商君書』靳令刑を重くし賞を少なくすれば、上は民を愛し、民は上に死す。賞を重くし刑を輕くすれば、上は民を愛せず、民は上に死せず。利、一空より出づる者は、その國に敵無し。利、二空より出づる者は、國は利を半ばす。利、十空より出づる者は、その國は守らず。刑を重くし大制を明らかにす。明らかならざる者は、六蝨なり。六蝨群を成せば、則ち民は用いられず。是の故に興る國は、罰行わるれば則ち民は親しみ、賞行わるれば則ち民は利あり。罰を行うに、その輕き者を重くすれば、輕き者は至らず、重き者は來らず。これを刑を以て刑を去り、刑去りて事成ると謂う。罪重くして刑輕ければ、刑は至りて事は生ず。これを刑を以て刑を致すと謂い、その國は必ず削らる。
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『商君書』墾令商の口數を以て商を使い、これが廝輿徒重なる者をして必ず名に當らしむれば、則ち農は逸にして商は勞す。農逸なれば則ち良田は荒れず、商勞すれば則ち去來賷送の禮は百縣に通ずる無く、則ち農民は饑えず、行は飾らず。農民饑えず、行飾らざれば、則ち公作は必ず疾く、而して私作は荒れず、則ち農事は必ず勝る。農事必ず勝れば、則ち草必ず墾かれん。