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商君書 / 墾令

貴酒肉之價、重其租、令十倍其樸。然則商酤少、民不能喜酣奭、大臣不為荒飽。商酤少、則上不費粟、民不能喜酣奭、則農不慢、大臣不荒飽、則國事不稽、主無過舉。上不費粟、民不慢農、則草必墾矣。

新字:貴酒肉之価、重其租、令十倍其樸。然則商酤少、民不能喜酣奭、大臣不為荒飽。商酤少、則上不費粟、民不能喜酣奭、則農不慢、大臣不荒飽、則国事不稽、主無過舉。上不費粟、民不慢農、則草必墾矣。

書き下し

酒肉の價を貴くし、その租を重くし、その樸に十倍せしむ。然らば則ち商酤は少なく、民は酣奭を喜ぶこと能わず、大臣は荒飽を為さず。商酤少なければ、則ち上は粟を費やさず、民酣奭を喜ぶこと能わざれば、則ち農は慢らず、大臣荒飽せざれば、則ち國事は稽らず、主に過舉無し。上粟を費やさず、民農を慢らざれば、則ち草必ず墾かれん。

現代語訳

酒と肉の値段を高くし、その税を重くして、原価の十倍になるようにする。そうすれば酒屋は減り、民は酔いしれて楽しむことができなくなり、大臣は飲み食いにおぼれなくなる。酒屋が減れば、上は穀物を無駄に費やさない。民が酔いしれて楽しめなければ、農作業が緩まない。大臣が飲み食いにおぼれなければ、国の政務が滞らず、君主も判断を誤らない。上が穀物を費やさず、民が農業を緩めなければ、荒地は必ず開墾される。

解説

酒と肉に原価の十倍の税をかける、いわば戦国時代の酒税である。ここで見逃せないのは、対象が民だけではないことだ。「大臣は荒飽を為さず」——上層部の飲食にも同じ税がかかり、そのおかげで政務が滞らず、君主の判断も鈍らない。商君書の制度設計は、上を例外にしないことで効く。値段を上げるという一手で、末端の勤勉と上層の節度を同時に取りにいっている。ルールを作るとき、それが自分にも同じようにかかるかどうかは、そのルールが機能するかどうかの分かれ目である。

この章句が説くこと

酒肉の価を貴くす十倍の租大臣荒飽せず上を例外にしない

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